【プレミア12】侍J、スーパーR初戦の相手は“ミラクル豪州” 全試合“ブルペンデー“採用と不気味

オーストラリアのデービット・ニルソン監督(左)と侍ジャパン・稲葉篤紀監督【写真:Getty Images】

オープニングラウンド2連敗からミラクル突破、最も勢いに乗るチーム

「第2回 WBSC プレミア12」(テレビ朝日系列で放送)は、11日からスーパーラウンドがスタート。台湾で行われたオープニングラウンドを3戦全勝で首位通過した野球日本代表「侍ジャパン」は、初戦でオーストラリアと対戦する。オープニングラウンド2連敗スタートから大逆転突破した“ミラクル豪州”は、日本をよく知るメンバーが揃っており、強敵となりそうだ。

 大会前には府中市で合宿を実施し、大学生、社会人と練習試合を行って調整した。韓国でのオープニングラウンドでは、韓国、キューバに惜敗で2連敗。突破は絶望的な状況となったが、最終戦でカナダに3-1で勝利すると、キューバが韓国に敗れて、1勝2敗で3チームが並んだ。当該チーム間のTQB=(得点/攻撃イニング)-(失点/守備イニング)での争いとなり、僅差で2位に滑り込んだ。

 これまでWBCに4回、「プレミア12」に1回出場し、すべて1次ラウンドで敗退していたオーストラリア代表。今大会ではついにその壁を破った。キューバ戦では、9回2死一、二塁で抜ければサヨナラの大飛球に、中堅手ホワイトフィールドが背走キャッチの超スーパープレーを見せるなど、今1番勢いに乗っているチームだ。

日本をよく知る選手が多数、監督は元中日の「ディンゴ」

 投手陣は、合宿中の練習試合で元楽天のトラビス・ブラックリー投手が故障離脱。エース不在の緊急事態となったが、韓国戦は7人、キューバ戦、カナダ戦は5人の全試合“ブルペンデー”で、終わってみれば防御率2.36と健闘した。BC栃木で今季無失点と圧巻だった身長203センチのジョン・ケネディ投手を筆頭に、オープニングラウンド5回1/3を1失点(自責点0)のスティーブン・ケント投手、元BC新潟で独特のカーブを操るジョシュ・トルス投手と“クセのある”左腕が揃う。元BC石川のライアン・サール投手もブルペンで待機する。

 打線で要注意はパイレーツ傘下の23歳、ロビー・グレンディニング内野手。今季はA+、2Aで101試合に出場し、打率.298、13本塁打、OPS(出塁率+長打率).856と好成績を残した。オープニングラウンドでも8打数3安打でチーム最高打率.375と好調を維持している。さらには元オリックス育成のダリル・ジョージ内野手、元BC新潟のデビッド・キャンディラス外野手、元BC石川のバタグリア捕手もメンバー入りしている。

 監督は元中日のディンゴことデービット・ニルソン氏が務める。メジャー球宴の選出経験もあり、シドニー五輪では黒木から本塁打を放つなど、強打の捕手だった。投手コーチには元阪神のオクスプリング氏。アテネ五輪では、侍ジャパンの金子誠ヘッドコーチ兼打撃コーチも出場していた日本を破り、銀メダルを獲得した。今大会のロースターに選手登録はしていないが、ブラックリーが負傷降板した練習試合では緊急登板し、勝ち投手となっている。(Full-Count編集部)

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