小田原、実は「寺町」です カードでPR、小田原JCが制作

56種類が制作されたお寺トランプ(小田原青年会議所提供)

 小田原は寺院が数多く集まる「寺町」であることを知ってもらおうと、小田原青年会議所(JC)が「お寺トランプ」を制作した。小田原市と足柄下郡3町(箱根、真鶴、湯河原町)の28寺院を56種類のカードで紹介。それぞれの寺で配布しているカードをすべてそろえると、トランプとして遊べる仕組みだ。ネットでは配布している寺が分かる「お寺トランプ収集マップ」も公開し、新たな“ご当地カード”としてPRしている。

 城下町である小田原市内には169の寺があり、県内では最多の横浜市に次いで多いという。同JCは小田原の新たな観光資源として「寺町」をPRし、地域活性化を図りたい考えだ。6、10月には寺でイベントを開催し、多くの人に寺の意外な一面を伝えた。

 トランプは名刺サイズで、宗派や寺名、創建年、住所などが記載されている。初回は1市3町から28の寺が参加、一つの寺に2種類の絵柄があり、計56種類となる。ハートやダイヤなどのマークと数字も入っており、すべてそろうとトランプとしても遊べる。

 また、カード右上のQRコードをスキャンすると、各地域の寺を紹介する「収集マップ」を閲覧できるサイトに接続。寺名の一覧のほか、「お寺カフェ」「写経」「滝行」「琵琶演奏会」など目的別に探せる。裏面のQRコードからは、寺のイメージビデオを見ることができる。

 トランプは、6月に同JCが開催した寺に親しんでもらうイベントで、参加者のアイデアから着想を得たという。同JCメンバーで制作に関わった平本祥啓さん(36)=東際寺住職=は、人気のダムカードやマンホールカードと同様に知れ渡ることを期待し、「自分と何の関係もない寺には入りにくい。トランプをもらいに気軽に寺に来てくれれば」と話している。

 今回は同JCが試作したが、第2弾は市内の仏教会の協力を得て参加寺院も増やしたいとしている。

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