僧侶がシンセサイザー演奏 お寺でスモーク・LED 「寺町」観光資源にイベント開催 小田原

本堂で行われた「光の演奏会」=無量寺(小田原青年会議所提供)

 約170の寺がある神奈川県小田原市で、寺院が数多く集まる「寺町」を新たな観光資源として地域振興を目指す動きが進んでいる。小田原青年会議所(JC)が主体となり、10月に2回目のイベントを開催。幻想的な雰囲気を創出し、多くの参加者が寺の“別の顔”を発見した。

 取り組みは、同JCメンバーで住職の平本祥啓さん(36)が企画。6月の初回は自身が住職を務める東際寺(小田原市小竹)で開き、2回目は小田原市仏教会の協力を得て、寺町の雰囲気が残る御幸の浜付近の2寺院を会場に開催した。

 6日に徳常院、無量寺(ともに小田原市本町)で開かれたイベントには、それぞれ100人超が参加。徳常院では現職の僧侶6人が「サイコロトーク」を展開。出た目に書かれたテーマに従い、お布施の現実や葬儀以外の寺の日常生活などについて話した。無量寺では、本堂でスモークと発光ダイオード(LED)を使って幻想的な雰囲気を演出、僧侶がシンセサイザーなどを演奏。御幸の浜で願い事や先祖・家族への感謝などを書いた札を、光る風船につなげて夜空に飛ばした。

 平本さんは「イベントを通じてお坊さんに親しみを持ってもらい、寺町ならではの魅力を感じてほしい」と話している。同JCとしてのイベントは終了したが、今後は地元仏教会などに引き継ぐ道を検討している。

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