映画『生理ちゃん』舞台挨拶!「女性VS男性ということではなくなるべくその人に寄り添ってあげたいよねというメッセージ」

今まで取り上げられることの少なかった「生理」をポップに擬人化し大きな話題を呼び、本年度の手塚治虫文化賞短編賞を受賞したコミック「生理ちゃん」。WEBメディア「オモコロ」で連載開始後女性たちから「共感しかない」と大反響を呼び、累計2,000万PV超えを果たし、今年の7月に第二巻「生理ちゃん 2日目」が発売された大ヒットコミックが、まさかの実写映画化。11月8日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷他にて全国公開となった。

公開を記念して、主演の二階堂ふみ、伊藤沙莉、松風理咲、須藤蓮、品田俊介監督、生理ちゃんがユナイテッド・シネマアクアシティお台場に集結。日本で誕生したブサカワな生理ちゃんの世界進出が発表され、キャストと監督が生理ちゃんをお祝いした。

「映画『生理ちゃん』、いかがでしたか?」という司会からの問いかけに、来場された観客から大きな拍手がわき、主演の二階堂ふみさんは「タイトルが『生理ちゃん』ということもありますが、男性も女性も半々くらい来ていただけて、とても嬉しく思います。」と男女関わらず多くのお客さんに作品が届いた喜びを共有した。

開催日:11月9日(土)
登壇者:二階堂ふみ(25)、伊藤沙莉(25)、松風理咲(18)、須藤蓮(23)、品田俊介監督(39)、生理ちゃん
司会:mic

司会「監督デビュー作がついに公開初日を迎えられた現在のお気持ちを、一言お願いします。」

監督「去年、小山健さんの書いた心温まる原作をやりたいですと手を挙げたものの、正直今まで見たことのないジャンルの作品を映像化できるのかなと、心配で毎日を過ごしたのですが、スタッフの皆さんやキャストの皆さん、こうして実物の生理ちゃんが誕生して、映画という作品を一緒に作り上げることができ、劇場に足を運んでいただいたお客様に作品をお届けすることができて感謝の気持ちでいっぱいです。」

司会「これまで誰も見たことがないジャンルで「生理」を扱うことが斬新ではありますが、最近では多くのメディアで生理特集が組まれるなど、ムーブメントが起こり、私たちを取り巻く 「生理」の環境がだんだんと変わってきていると思いますが、皆さんはこの映画の出演をきっかけに「生理」に関する世の中の変化を実感することはありますか?」

二階堂「生理という女性が生きていたら向き合っていくものを題材に、男性の作者が描いて、男性の監督とプロデューサーが映画を作るということが、一つ新しいことだと思います。」

伊藤「自分の中では、もともと禁句的なことではなかったのですが、自分自身というよりは、こういう日だからちょっとキツイかもといった時の、周りの男性の反応が、私の知らないくらいの昔と比べたら全然違うのが最近の流れではないかなと思います。」

松風「今回『生理ちゃん』という作品に関わって、高校の同級生から『すごい面白そう、観てみたい』という声が沢山届いたので、この映画をきっかけに、より生理に対する感じ方が変わっていくのかなと思うと嬉しいです。」

須藤「体験することができないことだからこそ、映画や台本で深く考えることが大事だなと思うので、向き合う機会をいただけたことが僕にとって貴重な経験でした。」

司会「男性からのレビューの中で、生理中の人に気づかないように、気づいてあげることが大事なんだなというコメントもあり、今回男性のお客様も沢山来られていて嬉しいものがありますか。」

二階堂「観終わった方々と時間を共有させていただいて、この映画は生理を題材に扱っていますが、女性VS男性ということではなく、他人の辛さや痛みを100%理解することができなくても、なるべくその人に寄り添ってあげたいよねというメッセージが込められた映画だと思うので、女性、男性の皆さんに観ていただきたいと思います。」

ここで生理ちゃんの世界進出(中国、香港、台湾、マカオ、タイ、ミャンマー、ラオス、カンボジア、など8つの国と地域での映画の配給権利が販売)のニュースが発表。

世界進出の発表を受けて、生理ちゃんも「グー!」のポーズを見せて喜びを全身で表現。先月、オランダの映画祭に参加された監督に、現地の反応を伺うと、「ヨーロッパでも日本と同じようにタブー視しているところもあるようですが、日本よりフランクに考えているのかなという印象をもちました。」と海外の生理に対する受け入れ方の違いについてコメントした。

司会「海外で本作をご覧になるお客様に対して質問したいことはありますか。」

二階堂「国によっては独自の文化を発展させていることも多いですよね。日本では布ナプキンが流行ったりしましたけど、それをアメリカの友達に話したら、『ありえない!(紙)ナプキンは遅れている』という子もいました。国によって全然事情が違うと思うので、各国から女性を集めて話をしても面白いかもしれないですね。」

伊藤「周りの男性の反応や対応は日本とどう違うのか、文化の違いでどう変わっていくのか気になります。」

監督「海外の劇場でお客さんと一緒に観させていただいたときに、全く考えてもみなかった言葉には表せない感覚が伝わってきました。世界共通なんだなと思ったのは、性欲くんのくだりはヨーロッパの方も同じように大爆笑してくれました。(笑)

司会「最後にご登壇の皆さまを代表して、監督から会場の皆さまへメッセージをお願い致します。」

監督「皆様、今日は本当にありがとうございます。タイトルは少し刺激的だったり、抵抗がある人もいるかと思いますが、だからこそ、『生理ちゃん』が世代や性別関係なく、生理のことを考えたり知ったりするきっかけになれば良いと思っていますので、劇場から出た後も生理ちゃんを応援していただけるとありがたいです。皆様、本当にありがとうございました!」

© 有限会社ルーフトップ