金村義明氏が“最強チーム”を考察 黄金期西武と日本S3連覇ホークスどっちが強い?

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軽快な語り口で各種メディアで活躍する金村義明氏【写真:佐藤直子】

新番組で「そこそこ昔」の1980年代~90年代の野球界を爆笑回顧

 今季の日本シリーズはソフトバンクが圧倒的な強さを見せつけ、4連勝で日本一V3を飾った。千賀滉大、高橋礼、大竹耕太郎、和田毅らを擁する先発陣、甲斐野央、モイネロ、高橋純平、森唯斗ら救援陣、そして松田宣浩、内川聖一、デスパイネ、グラシアルら爆発力のある打線。最近6年では5度、日本一となるなど、まさに“帝国”を築き上げた。ソフトバンクの圧倒的な強さは、1980年代から90年代にかけての西武を彷彿とさせると言う人物がいる。プロ野球OBで、現在は野球解説者として幅広く活躍する金村義明氏だ。

 近鉄、中日、西武で18年間プレーした金村氏は、10月18日からAmazonプライムビデオで「プロ野球そこそこ昔ばなし」という新番組にレギュラー出演している。MCのナイツを交え、現役だった1980年代から90年代にあたる「そこそこ昔」の思い出話やあるある話を、ゲストとして登場する同時代を戦ったプロ野球OBたちと大いに盛り上がる番組は「面白くない回がないくらい、ムチャクチャ面白いと思うわ」と自画自賛の出来映えだ。

 1989年、“いてまえ打線”を誇る近鉄がリーグ優勝に輝いた時、中心選手として貢献した金村氏。「個性的な人間が集まってましたよね」と懐かしげに振り返る一方で、「優勝したと言っても、西武の方が強かった。西武の方が優勝回数は多かったですし、黄金期でした。今のソフトバンクみたいに、走攻守全てが揃ったバランスのいいチームでした」と語る。

 それでは、黄金期の西武と今のソフトバンクが対戦したら、どんな結果に……?

「いい勝負じゃないですかね。日本シリーズ形式で戦ったら7戦目までいくんじゃないですか。お互いにピッチャーも揃っているし。ただ、西武はどの時代にもよりますよね。郭泰源や東尾(修)さんがいて広島と戦っていた80年代前半か、清原(和博)が入った80年代後半からなのか。清原が1年目には、ナベQ(渡辺久信)もいたし、東尾さん、工藤(公康)、松沼兄やん、弟やん……バラエティーに富んでいましたね。投手陣の層の厚さは、今年のソフトバンクに近いですよね」

 近鉄時代は仰木彬監督の下、西武の牙城を崩すべく戦っていた金村氏だが、どういう縁なのか、FA移籍した中日を経た1997年、西武にトレード移籍することになる。西武で3シーズンをプレーした後、現役生活にピリオドを打つのだが、「18年の野球人生の中で、本当に野球が楽しいと思ったのは、西武に行った97年と98年、この2年間だけでしたね。この2年間は本当に楽しかったです」と懐かしげに目を細める。

プロ入り後は苦労の日々も「それでも野球が好きで、野球しかなかったからね」

「ベテランでしたしね。単身赴任で寮に入れてもらって、松井(稼頭央)、大友(進)、小関(竜也)の3人を息子みたいに可愛がって。当時、一番強かったのは師匠・仰木監督が率い、イチローもいたオリックス。そこに前評判では最下位って言われていた西武が勝って、97年、98年と優勝した。そこで4番を打たせてもらったり、貢献させてもらったり。中日に移籍して75%もダウンした年俸も近鉄時代にまで戻って、98年には家族を東京に呼んで、賃貸ですけど一軒家に住んで、球場に行くのが楽しかったですよ。自分が想い描いていた夢とは全然違いますけどね」

 金村氏が想い描いていた夢。それは「4番を打ってタイトルを取れるような選手になって豪邸を建てる」というものだった。「もっと頑張っておけばよかった」という思いは、今でも心の中に残っている。

「もっと頑張ったらもっと打てたのに、もっと練習したらもっと打てたのにって、常に思いますよ。子供の頃の夢は、報徳学園に行って、阪急に入って、死ぬほど苦労している両親に、特に母親に家を建ててやることでした。でも、報徳学園で優勝して、阪急ではなく近鉄に入った時に家を建てて、そこで満足した部分はあるんでしょうね。プロに入ってなんとかなると思っていたけど、なりませんでした。何とかレギュラー掴んで、そこそこ活躍した時には、もう故障ばっかり。あとは鳴かず飛ばずで。それでも野球が好きで、野球しかなかったからね」

 1995年にFA移籍した中日では、故障もあって2年間で70試合の出場にとどまった。それでも野球好きの虫を抑えることはできなかった。

「中日で活躍する場面がなくても、セ・リーグの選手を見られるのが新鮮でね。広島の前田(智徳)のバッティングだったり、ヤクルトの池山(隆寛)のバッティングだったり、他球団のだいぶ年下の選手でも、いい打者だと言われる選手はすべて練習中に見て、すごいなと思ったり、こういう練習をしているのかと思ったりしていました。

 ただ、本当に野球が好きなんでしょうね。現役をやめて19年、いまだに2月は12球団のキャンプ地を必ず回る。それが原点というか、生活スタイルになっていますよね。現場で見て感じて……。やっぱり野球が好きなんですね」

 心残りはあっても、野球が好きだと言い切れる人生は、金村氏にとって誇らしいものに違いない。(佐藤直子 / Naoko Sato)