11月中旬から埼玉高速鉄道車両に「ダイナミックビークルスクリーン」順次搭載 どんなことができるの?

「ダイナミックビークルスクリーン」のイメージ 写真:埼玉高速鉄道

2020年4月までに全車両に搭載

2019年11月11日、株式会社NTTドコモ、埼玉高速鉄道株式会社、株式会社ビズライト・テクノロジー、株式会社 LIVE BOARDの4社は、車両内に搭載する「ダイナミックビークルスクリーン」を活用し、鉄道車両内では世界初(※1)となるダイナミックDOOH事業(※2)の推進を行うことで合意しました。

埼玉高速鉄道は浦和美園駅(さいたま市)から東京メトロ南北線で東京都心部を経由し、東急目黒線日吉駅(横浜市)までを縦断する首都圏の主要路線。これら3社線を運行する車両のおよそ3分の1が埼玉高速鉄道の車両となります。

11月中旬より同社車両のデジタルサイネージ機器を順次入替え、2020年4月までに全車両への「ダイナミックビークルスクリーン」搭載を完了する予定です。設置及び運用は株式会社ビズライト・テクノロジーが実施。

※1 2019年11月10日現在、ビズライト・テクノロジー調べ

※2 「OOH(Out Of Home)」は家庭以外の場で接触する広告媒体の総称。DOOH(Digital Out Of Home)は交通広告・屋外広告およびリテールショップなどに設置されたデジタルサイネージを活用した広告媒体の意。世界的にはOOHからDOOHへの置き換えが進んでいます。

「ダイナミックビークルスクリーン」では何ができるの?

「ダイナミックビークルスクリーン」は、ビズライト・テクノロジーが開発したデジタルサイネージ。カメラとIoT機器を搭載することで、車内の混雑状況や温度・湿度、乗客の年齢や性別など様々な情報を収集する機能を有しています。

(1)リアルタイムな環境変化に応じた広告・コンテンツ配信

搭載されたエッジAIにより車内の情報を解析・属性情報化し、車両内外の環境変化に応じて動的に広告を配信します。AIで解析したデータをもとに、特定の個人の識別をせずに乗客の広告接触状況を計測することも可能です。

また、車両外の天気・災害などの情報を取得しリアルタイムに表示することも出来ます。たとえばゲリラ雷雨などの天候情報を表示したり、災害発生時に緊急情報を表示するなど、ダイナミックなデジタルサイネージならではの迅速かつ有益な情報提供が可能です。情報の取得に使用するのはドコモのLTE回線ですが、将来的には5Gネットワークでのサービス活用も見据えています。

(2)日本初のインプレッション販売型のDOOH広告配信

LIVE BOARDは「ダイナミックビークルスクリーン」の広告枠の一部で、ドコモの「モバイル統計空間」などのデータを活用し、日本初(※3)となるインプレッション販売型のDOOH広告を配信します。

LIVE BOARDはNTTドコモと電通が出資し2019年2月1日に設立されたDOOH広告を扱う新会社。「モバイル統計空間」はドコモの携帯電話ネットワークの仕組を使用して作成される人口統計で、個人を特定することなく1時間ごとの人口をリアルタイムに把握できます。

ここでいうインプレッションは「表示回数」の意。パソコンやスマートフォンなら表示した瞬間に1回、とカウントできるのですが、駅に貼られたポスターが道行く人に見られた回数は?となると測定するのは困難です。しかし、「ダイナミックビークルスクリーン」なら搭載されたカメラで広告視聴者数を計測して算出することが可能で、視聴数をもとに車内広告展開が出来るようになります。

4社は本連携による取り組みを通じ、交通広告の効果的・効率的な運営を行い、乗客にとって有益な情報を提供することで、沿線価値および沿線住民の利便性の向上を目指します。

※3 2019年11月10日現在、LIVE BOARD調べ

鉄道チャンネル編集部

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