「天草ジオパーク」認定返上へ 交流人口増につながらず

©株式会社熊本日日新聞社

天草ジオパークを構成するジオサイト「妙見浦」にある奇岩。「ゾウさんの岩」と呼ばれ、親しまれている=5月、天草市天草町

 熊本県天草市と上天草市、苓北町の2市1町で構成する「天草ジオパーク」は来年3月末、日本ジオパークネットワークから退会し、認定を返上する。11日、天草市で開いた2市1町の関係者らでつくる天草ジオパーク推進協議会で決定した。日本ジオパークは全国に44地域あるが、認定の返上は初めての事例となる。

 ジオパークは、貴重な地形や地質、それにまつわる文化などが残る自然公園。天草では、これまでのジオパーク活動で地質・地形などの研究や自然を活用した教育は進んだものの、当初の目的の一つだった交流人口の増加につながっていないと判断した。

 同ジオパークは2014年、2市1町の天草地域全体で認定された。認定更新審査が4年に1度あるが、日本ジオパーク委員会は今年1月、「(恐竜化石などが多数見つかる)御所浦エリアは活発だが、天草全体としては活動が不十分」と評価。2年以内の改善を求める「条件付き再認定」となっていた。

 推進協会長の中村五木・天草市長は「条件付き再認定が、ジオパークを見つめ直すきっかけとなった。これまでの成果を、天草の自然資源を生かした活動に活用したい」と述べた。

 退会と認定返上は20年3月末の予定で、天草ジオパーク推進協も解散する。ただ、これまで2市1町で取り組んできた自然教育や学術支援などは継続。豊かな自然を活用したマリンレジャーやトレッキングなどへの普及啓発も、連携して取り組むとした。

 日本ジオパークネットワークの斉藤清一事務局長は「初めてのケース。ジオパーク活動は地域が主体となって進めるもので、天草の判断は尊重するが残念だ」と話している。(赤池一光)

(2019年11月12日付 熊本日日新聞朝刊掲載)