コンビニの行く末

 先日、長崎市のコンビニに立ち寄ったところ、商品納入用のトレーが店内に積み上がったままになっていた。深夜の時間帯。店員の姿は見当たらなかった▲客がレジの前に立って、ようやく店の奥から店長らしき人が出てきた。その人しか店の関係者はいなかったようだ。勤務予定の店員が急きょ休んだのか。それとも、1人で全ての仕事をこなすのが常なのか▲コンビニの加盟店オーナーを対象にした経済産業省の調査に、85%が週1日以下しか休めていないと回答したという。人手不足とコンビニの24時間営業を巡る厳しい実態を垣間見た気がする▲コンビニ大手でも24時間営業を見直す動きが出ている。そのためか、利用客側に聞いた経産省の調査では、半数が時短営業を容認していた。一方で、24時間営業を念頭に防犯や災害時の対応など社会的役割を期待する声も多かった▲先のコンビニに数日して再び訪れると、「セルフレジ」が導入されていた。今後は、こうした省人化対策を進めた「無人店舗」が増えていくのかもしれない。ただ、それで地域のさまざまなニーズに応えられるのだろうか▲過度の期待は店側にとっては迷惑かもしれないが、物販店の枠を超えた業態へと成長してきたコンビニの行き着く先はどのようなものなのか想像せずにおれない。(久)

 


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