【動画】東彼杵郡・鬼木の棚田 季節の表情、縁取る石垣

約22ヘクタール、400枚の棚田が広がる「鬼木の棚田」=波佐見町鬼木郷

 虚空蔵山のすそ野に、幾層にも重なる棚田。初夏には水面がきらめく田んぼには、やがて青々した稲がそよぎ、秋は黄金に輝く。季節で表情を変える田んぼを、精巧に積み上げられた石垣が縁取る。
 長崎県東彼波佐見町鬼木郷の「鬼木の棚田」は約22ヘクタール、400枚あり、県内最大規模。「日本の棚田百選」にも数えられる。郷の住民や耕作者でつくる「鬼木棚田協議会」が協力して景観維持に努めている。
 毎年9月の「棚田まつり」では、ユニークなかかしが出没し、人気だ。当初は200人規模だったが、今では8千人以上を呼び込む恒例行事に成長した。
 住民の高齢化や人口減少など課題もあるが、協議会の川平定昭会長(69)は「人が少ないからこそ、地域がまとまる力もある」と胸を張る。「これからも力を合わせ、知恵を出し合い、美しい棚田を守り継ぎたい」

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