小笠原氏、出馬既定路線

登別市長選情勢、3期連続無投票も

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 登別市長・小笠原春一氏(52)の任期が、来年8月27日で満了を迎える。最大の焦点は、小笠原氏の出馬の有無。小笠原氏は態度を明確にしていないが、4選出馬は既定路線。現時点で他に目立った動きはなく、3期連続の無投票当選の可能性もある。小笠原氏はこれまでの3期12年の市政運営を振り返り「スピード感がないと自覚しているが、確実に一歩一歩やってきた」と力を込める一方で、庁内外からは市政運営への不満もくすぶる。

 「選挙のない方向で、一致団結してもらいたい」。今年1月、とある会合の場で、小笠原氏は笑顔を交えてあいさつした。折しも統一地方選の前で、出席者の中には選挙戦を控える候補者もいた。出席者の一人は「自分は選挙がないと踏んでいるのだろう」と推察した。

 小笠原氏は2008年(平成20年)に選挙戦の末に初当選。2、3期目は無投票当選となっている。市長選は来夏告示を迎える。前後にはJCHO登別病院の移転開院(4月)や民族共生象徴空間ウポポイの開設(白老町、同)、市制施行50周年(8月)が控える。さらには東京五輪でマラソンと競歩が札幌市で行われることも決まり、登別への入り込み増も期待される。「大きな節目の年に選挙戦に出ないのはあり得ない。必ず出馬する」(関係者)のが大筋の見方だ。

 小笠原氏は、堀井学衆院議員と赤根広介道議との連携を進めている。国、道、市3軸によるタッグを意識しており、政党や支持層の垣根を越えた動きは、今年2月に立ち上がったオール登別による連携・協働による地元の活性化を目指す団体「明日の登別を創る市民の会」とも無関係ではない。現職3氏の連携で「他が出馬できる環境ではない」との声もある。

 3期目に臨む際、さまざまな公約を掲げたが、小笠原氏自身は「社会情勢の変化などがあり、スピードが速くないことは自覚している。ただ、確実に一歩ずつ進んでいることについては自信がある」と力を込める。

 後援会幹部からは「大きな失政はないが、目立った功績にも欠ける」と話す。

 公約の一つにJR登別駅のバリアフリー化を掲げた。20年までを目標に手掛けることとしていたが「志半ば。実現に向けて引き続き取り組む」と強調するが、観光事業者の間では「エレベーターはいつになったら設置されるのか」と不信感も漂う。

 批判は市役所内部からも聞かれる。協働のまちづくりを推進するため、市民との合意形成に重点を置くことで、地域住民からある程度の評価を得ている小笠原氏だが、一方で「町内会などの顔色をうかがうばかりで、できないものをできないとしっかり言えない」と“決断力”のなさに不満を覚える市幹部もいる。また、ある市職員OBは「いろんな政策を打ち出すのはいいが、明確なビジョン、目指すべきものが見えない」と指摘する。

 ここ数年、今後の活躍が期待されていた若手・中堅職員の早期退職が相次ぎ、多い年では2桁近くが退職。道や他自治体に転職した事例もある。「全てを同一視できないが、市の業務に魅力を感じていないのかもしれない。もっと働きやすい組織風土にしないとだめだ」(幹部)。

 10月下旬、取材に応じた小笠原氏は「出馬の有無は決めていない」としながらも、一般的な考えとした上で、こう加えた。「目標がある内は挑戦し続ける」と。
(石川昌希、高橋紀孝)