【プレミア12】韓国ヤンが10安打1失点の粘投 キムとのWエースは「尊重されるべき投手」

アメリカ戦に先発した韓国代表のヤン・ヒョンジョン【写真:Getty Images】

打線は初回にキム・ジェファンが3ラン、7回にも2点追加して米国に快勝

■韓国 5-1 アメリカ(プレミア12・11日・東京ドーム)

「第2回 WBSC プレミア12」(テレビ朝日系列で放送)は11日、韓国とアメリカが東京ドームで対戦し、5-1で韓国が勝利した。韓国の先発ヤン・ヒョンジョンは初回から長打を浴びるなど得点圏に走者を背負い、2回、4回、5回と三塁まで進ませた。それでも6回のマウンドに送り出したキム・ギョンムン監督は続投の理由を「(意見を)尊重されるべき投手」と表現。12日の台湾戦先発のキム・グァンヒョン投手にも言及した。

 打線は初回にキム・ジェファン外野手が1号3ランで先制すると、7回にもキム・ハソン、イ・ジョンフの適時二塁打で2点を加えた。キム・ギョンムン監督は「試合前に記者の方々に『ホームラン出たらいいね』と話していたらその通りに打ってくれた。初回から4回まででホームランが出ると本当に意味がある」と満足げな表情だ。

 投手陣も奮起した。先発のヤン・ヒョンジョンはアメリカ打線に10安打を許すも、失点は6回にロッカーに許したソロ本塁打のみ。その後の継投でも失点はなく「今日は色々なピンチの場面を投手が防いでくれた」とキム・ギョンムン監督はうなずいた。

 しかし5回までに4度も三塁に走者を背負う展開だっただけに、5回降板は頭をよぎったのではないか。続投の理由を問われたキム・ギョンムン監督はこれを力強く否定した。「韓国の野球界は、ヤン投手、キム・グァンヒョン投手が守っていると思っている。彼らが投げ続けたいと思っていたとしたら、なるべく(意見を)尊重したいと思っている。ヤンは90球までだったら投げたいと言っていた」。

 ヤン・ヒョンジョンは起亜タイガースに所属し、今季は16勝をマーク。これまでに史上5人しか達成していない1500奪三振をマークするなど韓国プロ野球(KBO)を代表する左腕だ。それだけにキム・ギョンムン監督の信頼も厚い。

 そしてヤン・ヒョンジョン投手と並ぶWエースのキム・グァンヒョンは今季SKワイバーンズで13勝を挙げ、過去には北京オリンピック準決勝で日本相手に8回無失点の好投を見せた、KBOを代表する投手だ。キム・ギョンムン監督は「2人の投手は尊重される資格を持っているし、続けたいなら信じられる」とWエースへの信頼と期待を語った。

 キム・グァンヒョンは12日の台湾戦に先発予定。来年の東京オリンピック出場権獲得のために負けられない大事な一戦となるが、指揮官はエースにどこまで試合を託すのだろうか。(臼井杏奈 / Anna Usui)

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