12年越しの「夢」実現 ライフル射撃・松本が五輪初切符 アジア選手権で日本勢最高11位

男子3姿勢120発で日本勢最高の11位に入り、東京五輪出場を決めた松本(自衛隊)=ドーハ

 ライフル射撃のアジア選手権は10日、ドーハで行われ、東京五輪代表の最終選考会を兼ねた男子ライフル3姿勢120発で松本崇志(島原工高-日大-自衛隊)が日本勢最高の11位に入り、初の五輪代表に決まった。
 松本は強風の中の予選で、首位と19点差の1159点をマーク。決勝へは進めなかったが、最後まで安定した射撃を披露した。
 代表入りは12月14日の日本ライフル射撃協会理事会で正式承認される予定。松本は3姿勢のほか、エアライフル男子立射60発、エアライフル混合の2種目も出場する見込み。
 ライフル射撃の県勢の代表入りは、1976年モントリオール、84年ロサンゼルス、88年ソウルの3大会に出場した松尾薫(島原工高-自衛隊)以来、2人目。

 ■12年越しの「夢」実現

 過去3大会、あと一歩のところで逃してきた五輪切符をつかんだライフル射撃男子の松本(自衛隊)。12年越しの夢を実現させた35歳は「長かった。応援してくださった長崎の皆さんに感謝したい」と地元への思いを口にした。
 2008年北京大会は5位で代表内定という世界選手権で1点差の6位。12年ロンドン大会、16年リオデジャネイロ大会も紙一重で落とした。この悔しさ、経験を忘れずに、今回は「自分の中では東京五輪に行くと決めている。狙っているのはその先」と自らにプレッシャーをかけて挑戦。強風で難しい条件の中、ライフル3姿勢120発で日本勢トップの11位に入った。
 喜びの一方で、また、悔しさも残った。「結果的に代表内定はしたが、メダルが目標だったので、このままでは足りない」。本番まで約8カ月。日本射撃界のエースは「地元の方々に喜んでもらえるように、メダルを取りにいきたい」と東京での活躍を誓っていた。

 【略歴】まつもと・たかゆき 島原市出身。島原工高でライフル射撃を始め、日大を経て自衛隊体育学校に入校。高校2年時の富山国体で初の日本一に輝いて以来、計12度の国体優勝を誇る。2018年ジャカルタ・アジア大会男子ライフル3姿勢120発銅メダル、全日本3種目優勝。168センチ、67キロ。35歳。

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