長総大付 4連覇 国見に2―1 全国高校サッカー県大会決勝

【決勝、国見―長崎総合科学大付】前半35分、長崎総合科学大付のFW千葉翼(中央)がヘディングで決勝ゴールを決める=トランスコスモススタジアム長崎

 サッカーの第98回全国高校選手権県大会最終日は10日、諫早市のトランスコスモススタジアム長崎で決勝が行われ、長崎総合科学大付が国見に2-1で競り勝ち、4年連続7度目の優勝を果たした。長総大付は全国高校選手権(12月30日開幕・首都圏)の出場権を獲得。組み合わせ抽選会は今月18日に行われる。
 長総大付は前半7分、FW岩永の左CKを、ファーサイドのMF鶴田がヘディング。中央に走り込んだDF鐘江がスルーする形で先制した。29分に同点とされたが、35分にFW近江のクロスにFW千葉翼が頭から飛び込んで再びリード。後半は徹底した守備で得点を許さなかった。千葉翼は3回戦からの全4試合で計6ゴールを挙げて、大会得点王となった。
 国見は1点を追う前半29分、DF安田がロングスローのこぼれ球を自ら拾ってクロスを供給。MF山川が頭で合わせて同点としたが、カウンターから得た34分の絶好機をものにできず、直後に決勝ゴールを許した。

 ■「最悪」のチーム 飛躍的に成長

 終わってみれば、選手権行きの切符を手にしたのは今年も長崎総合科学大付だった。小嶺監督が「最悪の年だった」と表現するチームが、春から飛躍的な成長を遂げてV4を達成。優勝に導くゴールを挙げたFW千葉翼は「チームのみんなが僕にくれた得点。最後に一番大きなタイトルを取れた」と仲間に感謝した。
 今季は県新人大会、県高総体ともに8強止まり。夏以降、基礎的なプレーから生活態度まで、一つ一つを細かく見直してきた。さまざまな選手の組み合わせを試し、スタメンは県高総体から半数以上が入れ替わった。
 試合に出られる選手が目まぐるしく変わる中、内部分裂を起こしそうな危機もあった。そんなときにチームをまとめたのが、ベンチにも入れない3年生。悔しさは胸の奥にしまい、率先して雰囲気づくりに徹した。
 自らもメンバー入りを逃した主将の高武は「意見をぶつけ合っていく中で、普段、自分から発信しないような選手も声を出すようになった。本当に大会直前、戦うチームになった」と変化を語る。
 前評判通りの接戦になった決勝。勝敗を分けたのはシュートが入るか入らないか、そんな小さな差だった。ただ、小嶺監督はその差に、チームの成長を感じた。「切磋琢磨(せっさたくま)して、全力で最後の最後までやれた。総合力で何とかここまでこれた。よくやってくれたよ」。普段は厳しい指揮官も、この日ばかりは教え子たちへの賛辞を惜しまなかった。

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