口ゆすぎ水から唾液と同等の病原菌

鶴岡・メタジェンなど実証

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 腸内環境を調べる慶応大先端生命科学研究所発のバイオベンチャー企業メタジェン(鶴岡市)は11日、大腸がんなど全身の病気リスクとの関連が注目されている口腔(こうくう)内細菌について、口をゆすいだ水から唾液と同等の種類・量が得られることを実証したと発表した。試料をより簡単に採取する方法として、研究拡大につながることが期待される。

 研究は日吉歯科診療所(酒田市)、大手日用品メーカーのライオン(東京)と共同で行った。

 口の中には数百種の細菌が存在し、唾液1ミリリットルに約10億個が生息すると推定されている。唾液から採取する方法が一般的だが、高齢者など唾液が出にくい人の負担や、採取に時間がかかることなど課題があった。

 今回の研究では、口をゆすいだ洗口吐出液と唾液それぞれが含む細菌の遺伝子を抽出・解析し、多様性などを比較。吐出液に含まれる種類や量が唾液のものと類似していることを確認した。安静時と、ガムをかんだ刺激時との比較でも基本的に差はなかった。

 一方、舌表面を拭き取る方法(舌スワブ)では吐出液、唾液と比べて採取できる試料が不十分だった。

 研究で用いた吐出液は蒸留水3ミリリットルで口を10秒間ゆすいだもの。従来、唾液3~5ミリリットルを採取するには1~5分を要していたという。メタジェンの福田真嗣社長は「簡易な方法により(集団を追跡調査する)コホート研究もしやすくなる。全身の疾患との関係性について研究が深まる可能性がある」と展望した。

 成果は6日付の英科学誌ネイチャー系オンライン科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載された。