原監督の「DH制導入案」理事会で議題に上がらず... 元パ球団職員「発想が短絡的」

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プロ野球のセ・リーグ理事会が2019年11月11日、都内で行われた。

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リーグの強化策の一環として巨人・原辰徳監督(61)が提案しているDH制導入案が議題に上がるか注目されたが、見送られる形に。関係者によると、理事会ではリーグ活性化に向けた策などが議論され、原監督が提案する案に関して話題に上がることはなかったという。

「DH制だから強いって言ってしまうのも...」

原監督がDH制の導入を提言したのが、日本シリーズでソフトバンクに4連敗を喫した直後の10月24日だ。7年連続でパ・リーグが日本シリーズを制している現実を踏まえて、原監督がメディアの前で持論を展開。セ・リーグとパ・リーグの力の差が「DH制」にあるとし、セ・リーグのDH制導入を声高に訴えた。

原監督の提案を巡り、巨人OBをはじめとする球界関係者が導入の是非について言及する事態に。球界関係者からは「反対」の意見が多くみられ、元巨人監督の堀内恒夫氏は2019年10月26日付けの自身のブログで、DH制導入に「反対」の意志を示した上で、「DH制だから強いって言ってしまうのもちょっと違うんじゃないかなぁ」とコメントしている。

パ・リーグの元球団職員は原監督の提案について「発想が短絡的だと思います」と指摘し、次のように語った。

「敗因はもっと別のところにあると」

「確かにパ・リーグの投手は実力があります。投手が成長するという意味においてDH制はひとつの要因に過ぎず、すべてではありません。パ・リーグの球団は人気のない時代から地道に育成に力を注いできました。選手のレベルを上げることでファンに野球を楽しんでもらう。この努力がここ最近ようやく結果として出るようになりました。その過程を考えずDH制を導入してもすぐに結果が出るとは考えにくい」

原監督が指摘するように近年、セ・パの力の差が顕著になっている。日本シリーズの結果だけではなく、交流戦においてもパ・リーグがセ・リーグを圧倒している。ただ、日本シリーズの対戦成績をみると、今年のシリーズでようやくセ・パの対戦成績が35勝35敗の五分となり、MLBのワールドシリーズではDH制を導入しているアメリカンリーグとDH制のないナショナルリーグの対戦成績は、ここ20年間は五分である。

前出の元球団職員は「今回の日本シリーズを見てもセ・リーグが勝てないというよりも、巨人がソフトバンクに勝てなかっただけ。敗因をDH制に求めるのは見当違いで、球界内から賛同を求めるのは難しいでしょう。日本シリーズも交流戦も条件は同じで、むしろ普段、打席に立たない投手が打席に入るわけですからパ・リーグの方が不利ともいえます。それでも勝てないわけですから敗因はもっと別のところにあると思います」と指摘した。