34歳男性、投資で大きな損失「借金で何も手につきません」

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。

今回の相談者は、投資に失敗して貯金を使い果たした上に、借金まで背負ってしまった34歳の男性。これからどのように家計を立て直せばいいのでしょうか。FPの飯田道子氏がお答えします。

投資で失敗をしてしまいました。貯金400万円をすべて失い、銀行のフリーローンの借入もしてしまいました。借金のことを考えると、何も手につきません。今後どのように貯蓄し、家計を立て直していけばいいのでしょうか。

<相談者プロフィール>

・男性、34歳、既婚(妻:33歳 ※現在パートを休職中、下の子どもが1歳で復帰予定。月収6万円程度)

・子ども2人:4歳、2歳

・職業:会社員

・居住形態:持ち家(戸建て)

・毎月の手取り金額:32万円

・年間の手取りボーナス額:100万円

・毎月の支出目安:30万円

【支出の内訳】

・住居費:6.5万円(住宅ローン)

・食費:4万円

・水道光熱費:1.2万円

・教育費:2.5万円

・保険料:4.7万円

・通信費:1.2万円

・車両費:1.8万円

・お小遣い:2万円

・その他:2万円

・ローン返済:4.5万円

【資産状況】

・毎月の貯蓄額:2万円

・現在の貯蓄総額:30万円

・現在の投資総額:なし

・現在の負債総額:2500万円ほど

-住宅ローン(借入残額約2200万円、返済残期間29年、変動金利0.475%)

-A銀行フリーローン(残額72万円、金利:4.5%、返済残期間52ヵ月)

-B銀行フリーローン(残額128万円、金利9.0%、返済残期間116ヵ月)

-C銀行カードローン(残額100万円、金利5.5%、返済残期間50ヵ月)


飯田:投資に失敗して預貯金を失い、フリーローンを組まざるを得なかった相談者様。

今後の生活に不安を抱いているとのことですが、これからどのように生活を立て直していくべきなのでしょうか? この機会にじっくりお金と向き合い、どのようにすれば良いのか対策を考えてみたいと思います。

今すべきことは「家計の見直し」

まず、実践していただきたいのが家計を見直すことです。支出の内訳を見ていくと、特に問題はないように思えますし、しっかりと倹約されている様子がうかがえます。

ただ、毎月の支払い保険料が4.7万円なのは、ちょっと高いように思えます。

現在、住宅ローンを組んでいらっしゃいますので、団体信用保険に加入しているはずです。保険料の内訳は細かく分かりませんが、死亡保障メインの契約なら減額、もしくは解約を検討しても良いかもしれませんね。

支出を抑えるだけでなく、収入を増やす努力をする

支出を抑えるといっても限界があります。この機会にどのようにすれば収入を増やすことができるのかも考えてみてください。

相談者様の勤務先でアルバイト等が許可されているのであれば、単発で働いてみるのも手です。とはいえフルタイムで働きながら、アルバイトをするのは大変です。無理のない範囲で検討しましょう。

個人でできるサイドビジネスがあるようなら、考えても良いですね。ただし、初期投資が必要なビジネス等は避けてくださいね。

奥様はパートタイムで働くとのことですが、下のお子様が小学校に入学した時点を目途に、フルタイムで働くことも視野に入れてみてください。

3社あるフリーローンを1社にまとめる

現在、3社の銀行のフリーローンを利用されています。これらの借入金額は合計で300万円なのですが、3社に分かれているために管理しにくいのではないでしょうか。可能であれば、どこか1社にまとめることをお勧めします。

しかしながら現在の金利は、フリーローンのなかではかなり低い金利になっています。消費者金融でおまとめをしても審査に通るかもしれませんが、金利はかえって高くなってしまう可能性があります。

まだ試していらっしゃらないのであれば、A銀行かC銀行でまとめることはできないかを相談してみてください。その際には、何のためにフリーローンを利用したのか? 今後、どのように返済していくのか? 等を正直に話し、返済できることをアピールすることが大切です。

金銭的に余裕ができたら、住宅ローン同様フリーローンも繰り上げ返済をして(特にB銀行)、できるだけ早く返済を終え、支払い利息を抑えるようにしたいものです。

両親や祖父母に援助をお願いする

投資に失敗したからお金を融通して欲しいというのは言いにくいことだと思いますが、こと贈与や相続となると話は別です。

マイホームを購入する際に、特に援助を受けていないのであれば、ご両親や祖父母に一度、相談してみてはいかがでしょうか? これからますます教育費がかかりますので、返済分の援助は難しくても、教育費としてなら援助してくれるかもしれません。

相談者様ご夫婦はお若いため、相続はまだ先のことだとは思います。将来、いくらか譲り受ける予定の財産があるのなら、すぐに手にすることができなくても、その資金を老後に回すことができます。

将来、受け取ることのできる財産があるというのは、心の安定につながります。「あてにするのは良くない」と言う人はいるかもしれませんが、今あるお金を何に使うべきか、教育や返済資金にする等、明確にすることができると精神的なゆとりが得られます。

今後の貯蓄は計画的に、貯まったポイントも賢く活用

今まで投資をされてきたので、どのような金融商品が怖いのか、何をすると損害を被るのかも十二分にご理解されていると思います。

今後は、基本的に銀行の定期預金や積立をベースに貯蓄していくことをお勧めします。今はそんなに金利が高くなく補てん金のメリットもなくなってしまいましたが、財形等を検討しても良いですね。

お子さんがまだ小さいので、夏休みや冬休み等のまとまった休みにどこかへ出かけることも多いと思います。休みの予定をあらかじめ考えておき、いつ、どれくらいのお金が必要なのかを理解し、それに向けた準備をしておくと安心です。各大手旅行会社では積立商品を販売しています。特定の会社を利用するのなら、その会社の積立を利用しても良いでしょう。

消費税が10%になったことに伴い、ポイントが貯まるクレジットカード払いや〇〇Pay等での支払いが、改めて注目されています。ポイントを貯めるために買い物をするのは本末転倒ですが、貯まったポイントを使い切れていないのはもったいないことです。

TポイントやPayPay等は、特定のサイトから申し込むとホテル代金にも充当できますよ。貯まったポイントを無駄にしないことも忘れないでください。もちろん、日常品にも利用できますので活用しやすいと思います。

お金を失ってしまったことで大きなショックを受けたことと思いますが、相談者様の収入は決して低いわけではありません。自信を持って、前向きに取り組んでいくマインドを持つことこそが、今の相談者様には必要なのかもしれませんね。応援しています!!

© 株式会社マネーフォワード