高い“R値”で冷気を遮断! 寒い時期におすすめの「寝袋マット」7モデル テントを設営して、秋の夜長や冷たい空気が張りつめた冬の山で一夜を明かすために、寝袋と同様に大切なのが寝袋の下に敷くマット。「寒くて眠れなかった~!」なんて声を聴いたことはありませんか? 快適に眠れないとその日の疲労も抜けず、翌日の登山にも影響します。そこで今回は”断熱性”に着目! 種類ごとのメリットやデメリットも含めて、おすすめのマットを紹介します。

寒い日のテント泊でもぐっすり眠りたい!

登山のテント泊で、「寒くてほとんど眠れなかった…」なんて経験はありませんか?

快適な睡眠をとるためにも大切なのが寝袋とマット。寒い時期は特に、寝袋でしっかりと保温しつつ、いかに地面からの冷気を遮断するかがポイントになってきます。

つまり、寝袋の保温力をしっかりと発揮させ、身体の熱を奪われないようにするためには、断熱効果の高いマットを選ぶことが重要なわけです。

寒さをしのぐカギは『R値』にあり

テント場の環境はシーズンによりさまざま。マットの種類も、春から秋の3シーズン向けから厳冬期にぴったりのモデルまで、多岐にわたります。その中で、冬場や寒い時期に適したマットを選ぶ目安となるのが『R値』です。

『R値』ってなに?

R値(R-value)とは、断熱性を表す数値。R値が高いほど冷気が伝わりにくく、断熱性能が高いマットということになります。そしてR値は足し算が可能で、例えば、R値0.5の銀マットと3.0のエアーマットを足して、3.5のマットとして使うこともできます。

『R値』で選ぶ時の目安

R値は1.0を下回るものから10.0を超えるものまであり、使用する季節ごとに推奨する数値は以下の通りです。

悩んだときは、“初秋は3.5以上、初冬は4.0以上”と、上記で挙げたR値よりも高めの数値のマットを使用すると安心です。

しかし、「山域や山の標高による気温の違い」「その日の天候」「寒がりや暑がりなど体感温度の個人差」といった様々な条件により、その人に合ったマットが変わります。

また、厳格なテストしてR値を出しているメーカーもあれば、概算で出しているメーカーもありますので、異なるメーカーのマットのR値を比較する際は、その点も留意しておきましょう。

『R値』が表記されていない場合はどうする?

メーカーによっては、R値が明記されていなかったり、R値の替わりに『推奨使用気温』を記載している場合があります。いずれも明記されていない場合は、以下2点に着目して断熱性能の高さを推測してみましょう。

優れた“断熱性”は当たり前! 次に望むものは何?

寒い時期のテント泊で断熱性は犠牲にしたくないですよね。高い断熱性は大前提として、「次は何を優先させたいか?」を考慮してみましょう。

マットのタイプは3種類! 重量と収納性も見逃せない

マットには「クローズドセル」「インフレータブル」「エアー」の3種類があります。重さや収納性、耐久性など、それぞれの特性を知ることで、より希望のマットを絞り込めます。

末端までしっかり断熱! レギュラーサイズがおすすめ

マットは、大人1人横になれるレギュラーサイズのほか、足元に登山ザック置いてマットと併用するショートサイズもあります。また、幅広いワイドタイプや2人用も。軽量化を意識するならショートサイズですが、寒い時期は冷えやすい足元までしっかりと断熱できるレギュラーサイズがおすすめです。

就寝時の冷え対策はコレで完璧! おすすめの寝袋マット7モデル

レギュラーサイズを中心に、寒い時期におすすめの寝袋マット7モデルを紹介します。マット選びのポイントと各モデルの特徴を押さえながら、自分の理想にぴったりの1つを見つけましょう!

寒い時でも楽に準備したい

気温が低い日は準備に時間がかかると辛いですよね。早く簡単に準備や片付けをしたい時は、何といってもクローズドセルが1番! 次に自動膨張のインフレータブルがおすすめです。

<サーマレスト> リッジレストソーラー
クローズドセルタイプのオールシーズン用です。体温を利用して保温性をキープする熱反射板を採用。63×196cmの一回り大きいラージサイズもあります。

<シートゥーサミット> コンフォートプラスS.I.マット
厚みはエアータイプ並みの8cm。逆止弁の付いた大きなバルブは、使用時も撤収時も簡単です。レギュラーサイズを含めて5つのサイズ展開で、大柄な人もぴったりのサイズを選べます。

荷物を軽くコンパクトにしたい

3シーズン用のクローズドセルタイプは重量400~450gほど。その軽さに引けをとらないのが、エアータイプマットです。レギュラーサイズで500gを下回り、収納性と軽量化に貢献!

<ニーモ> テンサーアルパイン レギュラー マミー
サーマルミラーフィルムを3枚も使った保温性に優れたマットです。ポンプサックが付属しているので空気の注入も容易なうえに、内部の空気の微調整も可能。

<エクスペド> シンマット HL ウィンター M
体型に沿うマミー型で、1サイズのみ。中綿入りで4シーズン使えるのに430gの軽さは嬉しいですね!付属のポンプは防水バッグとして活用できて便利。

妥協しない寝心地と良質の睡眠を

エアータイプは厚みがあって温かさも抜群ですが、寝返りの時に滑りやすく擦れる音がするという一面も。そんな欠点を払拭するマットを紹介します。

<シートゥーサミット> コンフォートプラス インサレーティッドマット
マット内部が二層構造になっており、上下それぞれの空気調整が可能。片側の生地が破れた時のバックアップにもなります。エアータイプにありがちなフワフワ感ではなく、滑りにくく安定した寝心地です。

<サーマレスト> ネオエアーXサーモ
サーマレストのネオエアーシリーズで一番温かいのがこちら! 4枚もの熱反射板を挟み込んでコールドスポットを極力減らした構造は、温かくて快適な睡眠を約束します。

とにかく断熱性が高いマットがいい

何はともあれ断熱性能を重視したい人には、R値が高くて厚みのあるマットがおすすめ。冷気を遮断し、冷え知らずの睡眠が得られます。

<エクスペド> ダウンマット XP 9 M
75デニールの丈夫な生地にダウンが250gも封入されたマットは、厳しい環境で保温性の高さを発揮。厚みがあっても付属のポンプを使えば、約2分で空気入れが完了します。

断熱性の高い寝袋マットで、山の夜を温かく

一言で寝袋マットといっても種類が豊富なので、どれがいいか迷ってしまいますよね。しかし、マットの役割や各モデルの特徴を知りブレイクダウンしていくと、熟睡できる理想のマットがきっと見つかります。寒い日のテント泊でも暖かく快適に過ごせるように、紹介したポイントを踏まえてマットを選んでみてくださいね!

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