上期営業利益85%減 日産自決算 販売低迷深刻、為替差損も

2019年9月期中間決算について説明するスティーブン・マー常務執行役員=12日午後、横浜市西区の日産本社

 日産自動車(横浜市西区)が12日発表した2019年9月中間連結決算は、売上高が前年同期比9.6%減の5兆30億7500万円、営業利益が85%減の316億800万円と減収減益だった。欧米を中心に販売台数が低迷していることや、期初の見込みより円高に動き為替差損が発生したことが響いた。20年3月期の業績予想を下方修正し、営業利益を当初見込みより800億円引き下げ、前期比52.9%減の1500億円とした。

 営業利益を大きく減らした要因は、為替差損や原材料費のコスト増などで871億円、販売台数の減少などで915億円。販売費用や購買コストの削減などで848億円の増益効果があったものの、打ち消せなかった。

 台数の減少では欧州市場の苦戦が響いている。18年度上期と比べ19.7%減らした。北米でも4.3%減、国内市場でも1.3%減だった。主力の中国市場は全体需要が減退する中で、0.3%減とほぼ横ばいだった。この結果、全販売台数は6.8%減の約250万台だった。

 決算会見に立ったスティーブン・マー常務執行役員(12月1日付で最高財務責任者・CFOに就任予定)は、中間決算について「改善を進めている」と説明。特に米国市場の立て直しに取り組んでいる点を強調し、中型セダンの新型車を米国市場に相次ぎ投入する方針を明らかにした。

 1万2500人の人員削減や過剰な生産設備の解消、22年度までに20モデルを新規投入することなどを柱とする事業構造改革についてマー常務執行役員は「回復路線に乗っている。設備の効率化、最適化は順調に進んでいる」と話した。

 中間決算の純利益は73.5%減の653億6500万円だった。

 20年3月期予想は最終利益を600億円引き下げ、前期比65.5%減の1100億円とした。売上高は7千億円引き下げ、8.4%減の10兆6千億円を見込んでいる。

 販売台数は当初見込みと比べ5.4%減の524万台となる見通し。特に中国市場で当初見込みと比べ8.8%減少するとみている。

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