<レスリング>【2019年全日本大学選手権・特集】喜びは今ひとつだが、実績をつくって全日本選手権へ挑戦!…61kg級・榊流斗(山梨学院大)

©公益財団法人日本レスリング協会

決勝は相手の負傷棄権だったが、1年生王者に輝いた榊流斗(山梨学院大)=撮影・矢吹建夫

 山梨学院大の即戦力ルーキーと期待された榊流斗が、全日本大学選手権の61kg級で優勝。5月の東日本学生リーグ戦で左肩を負傷し、手術で戦列を離れた影響を感じさせない強さで大学の期待にこたえた。

 しかし、決勝が相手(山口海輝=日体大)の負傷棄権による勝利ということで、物足りなさそう。「優勝したことは素直にうれしいのですが、決勝の相手が棄権したことは、ラッキーだったわけで…」と、満足感に欠ける優勝だったことを強調。負傷明けで不安の要素が多く、手探り状態で闘って、その末にたどりついた “ラッキーな優勝”という感じで、「力を出し切っての結果」という思いにはなれないようだ。

 マットで練習できるようになってからは、約2ヶ月。それでも、練習と実戦は違うのが普通で、本人も周囲も不安を持つのは当然だろう。それでも、1回戦からの3試合をいずれも第1ピリオドに無失点のテクニカルフォールで勝ち、準決勝では学生王者の早川竜太郎(拓大)相手に終了間際に10-0のテクニカルフォール勝ち。

終わってみれば、無失点で優勝し、本領発揮というイメージはある。これについては「(準決勝で)実績のある相手に勝って、自分の力が通用したことは、うれしいですね」と、少し笑みが浮かんだ。

乙黒拓斗に続いた世界カデット王者、同じ道を歩むか

 リーグ戦では、活躍を期待されながら負傷で最後の拓大戦に出場できなかった。榊だけの責任ではないが、チームは敗れて7連覇を逃したという苦い思いがある。今回は優勝に大きく貢献した。「年の最後の団体戦で、チームを優勝に導くことができたのは、うれしいことですね」とも話し、プラス要素を指摘されて、徐々にうれしさが出てきているという感じだ。

2017年世界カデット選手権で優勝した時の榊流斗=チーム提供写真

 それでも、「だれが優勝してもおかしくない階級だったと思います。その中で、たまたま自分が勝ったという感じ」と、この優勝に浮かれる様子はない。この結果によって12月の全日本選手権への出場資格を得た。「全日本の舞台で闘うのは、ひとつの目標でした。大学生と社会人選手のいる大会で闘ってこそ、本当に闘っているという気になれると思いまいます。頑張りたいです」と話した。

 東京・帝京高(JOCエリートアカデミー)時代の2017・18年にインターハイ2連覇を達成。2017年の世界カデット選手権優勝は、日本選手として、のちに世界王者に輝いた乙黒拓斗に続く世界一。負傷によるブランクを経ても変わらぬ強さを見せた実力で、一気に全日本レベルで台頭、そして乙黒に続くか。