パッと見で伝わる手法とは?ビジネスにイラスト活用

イラストがあなたのビジネスを変える!?

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今週のけいナビは「パッと見で伝える手法」に注目。
ビジネスの現場で「イラスト」を使って分かりやすく伝える技術が活用されている。

札幌に住む梅沢太一さんが2年前に立ち上げた「スタークリエイツ」。広告や社内マニュアルに使う「業務用漫画」を手掛ける。

梅沢代表は「こだわりは自分の個性を出さないこと」と語る。キャラクターの個性を際立たせるのではなく、読み手にとって親しみやすいキャラクターにすることを心掛けているいう。

スタークリエイツの梅沢代表

梅沢さんは、小学生の時に漫画を描き始めた。漫画家という夢を抱いたこともあったが、大学を卒業し、札幌のスーパーマーケットに就職した。「漫画家に挑戦するには、画力・実力が及んでいなかった」と振り返る。スーパーでは、10年間、店頭での販売やIT部門を担当。

発注を効率化するためにITシステムを導入したが、思っていたように使ってもらえないという経験をした。その時に、企業が抱える「伝える」ことの難しさを感じたという。

そこで目を付けたのが、趣味として続けていた漫画。漫画の技術を資料やプレゼンに生かしているうちに、手ごたえを感じたという。「いろんな人に物事を分かりやすく伝えるのに、漫画はこれ以上ないツール。どんな企業であっても『物事を分かりやすく伝える』というニーズは必ずある」と話す。

梅沢さんが過去に手掛けた漫画

実際に効果も出ている。入園用のパンフレットづくりに悩む保育士を題材にした漫画。保育園にパンフレットを売り込みたい企業から依頼を受けて、梅沢さんが手掛けた。漫画がない場合と比べて、問い合わせが6倍に増えたという。広告の場合、料金は1件あたり10万円から。梅沢さんは、企業向けの漫画は商業漫画と比べ、市場が安定していると語る。

「業務用漫画」は梅沢さんの造語

この日は、取引先との打ち合わせ。出産を控えた女性をターゲットに、新生児向けの商品を紹介する漫画を作る。まずは主人公のキャラクターについて話し合う。

打ち合わせでは依頼者とのすり合わせが肝心だ

取引先が重視しているのは「共感」。妊婦の不安を親しみやすく表現したいという要望だ。打ち合わせの結果、主人公のデザインをデフォルメする(形を変える)ことや、大まかなストーリーが決まった。こうした打ち合わせに、会社員としての経験が生きているという。梅沢さんは「客と一緒に戦略を考えることができるのは、クリエイターとしてのキャリアしか積んでいなかったらできなかった」と語る。

梅沢さんはこれから需要は広がると予想している。1つ目の理由は「漫画に理解のある世代が増えていること」。漫画で訴求できる層が広がっているのと同時に、企業でも40代から50代など、会社の中心になる年になっていると分析。2つ目の理由は「デジタル化」。画材を揃えるのに比べ、漫画を描くためのコストが下がった。さらに、やり直しも簡単になり、イラストの技術力も上がりやすくなったと語る。漫画家にとっても企業にとってもメリットだという。

梅沢さんは「業務用漫画」の需要は広がると予想している

事業を拡大するため、今後、近いうちに法人化し、スタッフの雇用を目指している。梅沢さんは「漫画家になりたい人が安心して選べる就職先の一つになりたい。生産性を高めて、たくさんの漫画を早く作れるような組織を北海道に作りたい」と話す。

先月、札幌で開かれたNoMaps。自動運転など、最新の技術やアイデアが集まる イベントだ。「宇宙ビジネス」をテーマにした講演には、大樹町のベンチャー企業「インターステラテクノロジズ」の堀江貴文さんらが登壇。

宇宙ビジネスの講演会には堀江貴文さんが登壇した

熱い議論が交わされる中、会場のスクリーンでは、リアルタイムで発言がイラストに。

「グラフィックレコーディング」と呼ばれる手法。話の流れが文字とイラストでまとめられ、話している人も、聞いている人にも分かりやすく議論が進められる。

完成したグラフィックレコーディング

6人による90分の議論が、1枚のスライドにまとめられた。講演が終わると、登壇者や参加者が写真を撮りに、スクリーンの前に集まる。
また、会場の外には、前日までの講演を記録したグラフィックレコーディングが。講演に来られなかった人が後から見て、内容が分かりやすく伝わるのもグラフィックレコーディングの利点だ。

来場者の多くは、過去の講演のグラフィックレコーディングを写真に収めていた

このグラフィックレコーディングを担当したのは、札幌在住の木村あゆみさん。木村さんは、去年のNoMapsでグラフィックレコーディングを学び、活動を始めた。フルタイムで会社に勤めつつ、副業でグラフィックレコーディングの仕事を引き受けている。

この仕事を始めてまだ1年。道内ではまだ、グラフィックレコーディングの認知度が低いというが、少しずつ活動の場を広げてきた。グラフィックレコーディングが活用されるのは、こうした講演会だけではなく、会社での会議などでも効果があるのだという。木村さんは「効率性は確実に上がる。まず会議ってダラダラ長いことが多いと思う。ホワイトボードに絵を書くことで、全員の意識が共有されて時間短縮につながる。声が大きい人の意見が通りやすいというのも変えていきたい」と話す。

今は講演会の依頼がメインだが、今後は企業の会議や教室など活動の範囲を広げたい考えだ。木村さんは「まだ自分のビジョンやグラフィックレコーディングが社会にどのように役立てるか、発信できていない。独立して一本でやっていきたい」と語った。

杉村太蔵さんがグラフィックレコーディングに挑戦!?

どの企業も抱える「分かりやすく伝える」という課題。イラストがその助けになるのかもしれない。

番組の最後は杉村太蔵さんの一言。今回はグラフィックレコーディングにも挑戦。コメントのフルバージョンはYouTubeなどのSNSで公開中。
(2019年11月16日放送 テレビ北海道「けいナビ~応援!どさんこ経済~」より)

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TVh「けいナビ」