〈フカボリ取材班〉Suica使えない青森の在来線/「簡易型」も導入予定なしとJR

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カード型、モバイル端末、スマートウオッチなど、さまざまな形でSuicaを利用することが出来るが、県内の在来線での利用は現時点で出来ない(写真はコラージュ)

 JR東日本のICカード「Suica(スイカ)」が青森県内在来線で使えないことを報じた「青森県在来線 Suica なぜ使えない?」に、さまざまな声が寄せられた。「残念」「早く使えるようにして」といった利用希望が目立つ一方、「コストに見合わないのだから導入しないのは当然」「無い物ねだり」と手厳しい意見もあった。その中に「クラウド版Suicaを開発中のようで、今後に期待」とのインターネット上の書き込みも。クラウド版? 再びJR東日本に聞いたが、現在開発中の技術であり、現時点で導入時期は見通せない-との回答だ。

 同社広報担当者は、青森県の在来線へのSuica導入について「現時点で予定はない」とし、未導入線区への導入は費用対効果の点で「ハードルが高いのが現状」と説明する。

 ただ、JR東日本のサイトで深沢祐二社長が「クラウド技術の活用により、地方の在来線への低コストでのSuica導入を目指すとともに、地方の二次交通で、地域連携ICカード導入を行い、Suicaを使えるエリアを広げたい」と明言している。

 現行とクラウド版の違いは? 広報担当者によると、現行の改札機はICカードをタッチしてから0.2秒で処理ができ、読み取り側でもデータを保持する。乗客の少ない地方でここまでの性能は必要ないため「これまで自動改札機にあった運賃計算等の処理機能を、センターサーバーに移行。必要な性能を満たす改札機となるよう技術開発に取り組んでいる」とする。しかし、複数交通事業者を組み入れた複雑かつ大規模な仕組みのため「新たな技術開発や十分な検証が必要」で、現時点で導入めどは不透明だ。

 首都圏ではバスでもSuicaが使用できる。この仕組みが流用できないものか。

 広報担当者は「バス等に搭載されているSuicaの読み取り端末を駅で利用するためには、駅で使われているシステムに合わせた仕様に変更することが必要で、そのためには多額の費用がかかる」とし、現時点では検討していないと強調した。

▼Suica 鉄道やバス、買い物などで利用できるJR東日本のICカード。電車等の乗り降りで改札機の読み取り部にタッチするだけで入退場や料金精算が自動でできスムーズに改札を通過できる。読み取り端末のある店舗では電子マネーとして買い物に使うことができ特にほとんどのコンビニがSuicaによる支払いに対応しているため青森県内でも電子マネーとして利用できる。

 JR東日本の管内で、新幹線の乗降ではSuicaが利用できるが、在来線に限れば、青森県と秋田県は使用できる駅がない。

 JR西日本は「ICOCA(イコカ)」、九州は「SUGOKA(スゴカ)」、北海道は「Kitaca(キタカ)」といった、Suicaと同様のICカードサービスを提供している。