大涌谷観光15日再開 半年ぶり規制見直し

噴煙が上がる大涌谷=10月31日、箱根町

 火山活動や台風19号の影響で、箱根山・大涌谷(箱根町)で5月から続いていた観光客らの立ち入り規制が、15日に見直されることが決まった。町と県が13日に発表した。箱根ロープウェイ大涌谷駅で下車できるようになり、名物「黒たまご」の販売や箱根ジオミュージアムなどの営業が再開される。

 大涌谷園地が再開されるのは、15日午前9時から。その後も午前9時から午後5時までの時間限定で開放する。ただ、自然研究路については歩道の再整備が完了していないことなどから、引き続き立ち入りが禁じられる。

 2015年の火山活動で小噴火が起き、現在も噴気活動が活発な大涌谷は、火山性地震の急増などを受けて噴火警戒レベルが2(火口周辺規制)に引き上げられた5月19日以降、全面的に立ち入り規制。地震の減少などを受けて10月7日に警戒レベルは1(活火山であることに留意)に下がったが、12日に上陸した台風19号で箱根町内に大きな被害が出たため、再開に向けた準備や検討がずれ込んでいた。

 19号で損傷したガス検知器の復旧などが終わったことから、開催が延期されていた火山防災協議会の構成機関から、書面で再開の同意を得たという。

 記者会見した山口昇士町長は「万全の防災対策を講じていく。噴煙を見られる大涌谷のダイナミックな景観を楽しんでほしい」と表明。黒岩祐治知事は「箱根が一日も早く元通りの状態になり、にぎわいを取り戻せるよう、町と一体となって取り組む」とコメントした。大涌谷駅前では15日正午から、山口町長らが来場者に黒たまごの配布などを行う。

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