東芝、東大と共同。22年度までにグループのAI技術者を2000人体制へ

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 世界的にAI・ビッグデータ技術者の人材が不足している。世界の企業は当初外部からAI関連人材の調達を行おうとしてきたが、激しい人材争奪戦の結果、もはや市場からの調達は困難ともいわれている。そこで世界の企業は今、内部の従業員のAI技術の知識獲得を促進するために膨大な資金を投下しているという。

 日本の状況は更に深刻で、そもそもIT人材の深刻な不足の状況にある。WIPO(世界知的所有権機関)のレポートによれば日本のIoTやAIを担う先端IT人材が2020年度には約4.8万人不足すると推計している。

 こうした深刻な人材不足を抱えながらも日本のこの分野のパフォーマンスは決して劣勢な状況にあるとも言えない。WIPOでは日本の総合メーカーである東芝グループのAI関連特許の累計出願数は世界第3位と報告される。

 その東芝が7日、東京大学大学院情報理工学系研究科と共同でAI技術者育成プログラムを開発、AI技術者を現在の約3倍に増強すると発表した。産学共同のAI人材育成プログラムと現場のリアルなビッグデータを活用し東芝グループのAI技術者を現在の750人体制から22年度までに2000人体制にする計画だ。

 東芝は同グループのAI技術者育成を強化するため、東京大学大学院情報理工学系研究科と共同で「東芝版AI技術者教育プログラム」を開発し、本年12月より当社グループで導入する。このプログラムでは、最新のAI手法を学ぶだけでなくグループが保有する現場のリアルなビッグデータを用いた実践演習により、ビッグデータの利活用を推進できるAI技術者を育成し、AI研究開発の質の向上と規模拡大によって世界有数のCPSテクノロジー企業への変革を推進することがねらいだ。

 東芝はAIの研究開発を一層進めていくためには、さらなるAI技術者の強化が必要であると考え、東京大学大学院情報理工学系研究科がNEDOの委託事業で実施している「実データで学ぶ人工知能講座」の社会人教育で培った知見と、東芝自身のAI技術開発の知見を融合させることで7月に「東芝版AI技術者プログラム」を開発した。

 このプログラムでは「古典的な機械学習から最新のディープラーニングに至るAI手法を学ぶだけではなく、グループが保有する現場のビックデータを分析する機会を提供することで、実践的なAI技術の習得を可能にし、ビッグデータの利活用を推進できる優秀なAI人材を短期間で育成する」と東芝は説明している。(編集担当:久保田雄城)