大分県輸出額、前年比減続く 米中摩擦で加工製品落ち込む【大分県】

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 大分県の輸出額は2018年12月以降、対前年同月比でマイナスが続いていることが日本銀行大分支店の調査で分かった。長引く米中貿易摩擦や中国経済の減速により、電気機器や輸送用機器といった加工製品が落ち込んでいる。県の輸出額に高い割合を占める鉄鋼や非鉄金属などの素材製品は堅調を維持。海外経済による県全体の打撃はまだ限定的とみられるが、同支店は「素材市況の低下も見られ始め、影響が広がる可能性がある」とみている。

 日銀大分支店が国の貿易統計に基づき、県内の港湾を経由した輸出品のデータをまとめた。県の輸出額は18年が8263億円と過去10年間で2番目に高かった。しかし、18年12月に前年同月比で21.3%減とマイナスに転じて以降、19年8月までほぼ毎月下回っている。

 電気機器(映像機器や事務用機器など)、輸送用機器(船舶など)の加工製品が影響を受けたことが主な要因。18年12月~19年8月までの輸出額は前年同期に比べ27.1%の減。国・地域別では中国向けが78.6%減と大幅に落ち込んだ。

 半導体や自動車部品は県内の港湾からの輸出はほぼなく統計に反映されていない。ただ、同支店の事業者ヒアリングで「中国向けの需要が弱含みで低めの稼働率が続く」(半導体)、「国内完成車メーカーの海外販売不振で受注が落ちた」(自動車部品)といった声が上がっている。

 素材製品は県内事業所の生産設備がコスト競争力に優れていることなどから、化学製品や鉄鋼、銅製品は堅調に推移。18年12月~19年8月は前期を微増ながら1.4%上回り、県全体への影響を緩和した格好。県内の輸出額に占める割合は素材製品が62.3%と高く、加工製品の37.7%を大きく上回る。

 全国の物価動向を見ると、過去1年間で化学製品や金属といった素材市況は低下傾向にある。日銀大分支店は「素材価格の下押し圧力が続けば、ウエートの大きい大分県への影響は全国に比べても大きくなる恐れがある」と今後の行方を注視している。

 輸出額はいずれも物価変動の影響を除かない名目輸出額。