ほとんど人家はありません【非電化路線に乗ろう01】大船渡線その6

※2016年11月撮影

この駅が「鍋鉉線」の原因になった摺沢駅。相対式ホーム2面2線、2005年に改築された立派な駅舎があります。一ノ関市役所摺沢出張所、コミュニティーホールが駅舎と合築になっているのです。跨線橋に見えるのは南北自由通路です。ホーム同士は構内踏切で結ばれています。

この駅を作るために、陸中門崎駅から真っ直ぐ千厩駅に線路が敷設される予定を岩手出身の原敬率いる立憲政友会の後押しで1920年(大正9年)の総選挙で当選した摺沢出身の佐藤良平代議士が大きく迂回して摺沢を経て、千厩を通らずダイレクトに、大船渡に向かう様に計画を変更させたのです。しかし、千厩では憲政会に頼って誘致を行い、結果的に摺沢から千厩を経る現在の大船渡線の形になったのです。大きく鍋鉉形になって直線で結ばなかった分、無駄な距離と時間がかかる様になったのですが、結果的には景勝地の猊鼻渓や大船渡線沿線では最多の人口である旧大東町を通るというプラスの面もありましたから一概にダメということではありません。

駅名標。ポケモントレイン気仙沼号停車駅です。1925年(大正14年)開業。降車客を含まない1日平均乗車人員は、265人/日(2017年・JR東日本調べ)。高校と専門学校があるので通学需要もあるのでしょう。

摺沢駅を過ぎると右に90度カーブして南下します、元々は陸中門崎駅から真っ直ぐ千厩駅に来るはずだった東西の直線に向かうのです。また90度曲がって千厩駅に向かいます。

摺沢駅〜千厩駅がこの区間で最も長い駅間。9,2kmもあります。

摺沢から千厩までの区間は山間地で、ほとんど人家はありません。それで駅も無いのです。

9.2kmで千厩駅。17:07着、一ノ関駅を出てから50分が経ちました。

島式ホーム1面2線に側線があります。跨線橋はなく、構内踏切で連絡しています。

駅名標。ポケモントレイン気仙沼号停車駅なのでピカチュー付き。1927年(昭和2年)開業。高校と病院があります。降車客を含まない1日平均乗車人員は、208人/日(2017年・JR東日本調べ)。厩は「うまや」という字。駅所在地が一ノ関市千厩町です。馬がたくさん飼われていたのかな。個人的には、青森県津軽郡にある津軽線の終着駅三厩(みんまや)を連想しました。

※2016年11月撮影

駅舎の事務室部分は保線休憩室になっているそうです。みどりの窓口もあります。

いよいよ夕暮れになってきました。う〜ん。分かっちゃいるけど・・・焦るなぁ。

焦りながら【非電化路線に乗ろう01】大船渡線その7 に続きます。

(写真・記事/住田至朗)

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