バサジィ大分・フットサル 仁部屋和弘、「個と気持ち」で勝負

©オー!エス! OITA SPORTS

 フットサル日本代表の「背番号10」を背負う仁部屋和弘が今、キャリアで最も充実した時を過ごしている。来年のワールドカップ出場に向けてエースとして活躍し、バサジィ大分でも悲願の優勝に向けて得点源としてチームを引っ張る。「自分のプレーを良くして勝たせることしか考えていない。今季は2つのチームを勝利に導く」と発言にも自覚がにじむ。

 「これまでにないくらいメンタルが充実している。圧倒的な個の力を見せつけたい」。今季始動時、大言壮語を吐くタイプではない仁部屋の口から強気な発言が次々と飛び出した。表情は柔らかだったが、目には闘志がみなぎっていた。体は細かったが、ジャージに隠された筋肉は張りがあり、オフの間も休まずに体をつくってきた形跡だ。

 今季のリーグ戦では開幕戦での2ゴールを皮切りに現在17点を決め、チームメートの森洸と並び日本人トップの得点ランキング7位にいる。チームは首位の名古屋オーシャンズに勝ち点差を離されたが2位をキープ。このままシーズンを終えても、一発勝負のプレーオフで優勝を狙える位置にいる。日本代表でも先月あった「AFCフットサル選手権トルクメニスタン2020予選」に出場し、本戦の出場権を得たチームの原動力となった。

今季リーグ戦は17得点で日本人トップのランキング7位

 パス、トラップ、ドリブル、そしてシュート―。 今季は新しいモデルをつくっていて、走り方やボールの持ち方、相手との間合いなどを見直した。数センチのコントロールを計りながら精巧に動き続け、軽快なステップでゴール前へと躍り出る。動き出すタイミングやシュートの瞬間を相手によってわずかに変える。そんな微妙な感覚を突き詰める仁部屋だが、今季の好調の理由について「気持ち。最後は気持ちで何とかなる」と精神論を口にした。

 チームと日本代表での活動に加え、国内だけでなく国際大会となれば移動の疲労も蓄積される。食事やマッサージなど自己管理を徹底したとしても、コンディションをベストな状態に保つのは難しい。悩んでいたときに旧友の柏好文(サッカーJ1、広島)と会い、柏が発した言葉がすっと胸に入ったという。「キツくても、体が動かなくても俺は深く考えない。最後は気持ちだろ!」。この単純な言葉に救われた。がんじがらめになっていた頭と体を解放してくれた。

 リーグ戦は残り8試合。悲願の優勝に向けてチームの先頭に立つ。また、日本代表では2月にワールドカップ最終予選を兼ねるAFCフットサル選手権が控えている。「世界一になりレジェンドと呼ばれる存在になる」と公言する男が燃えないわけがない。「“気持ち”を高めて取り組みたい」と話す仁部屋自身が誰よりも勝利に飢えている。

心身ともに充実したシーズンを過ごす仁部屋和弘

(柚野真也)