青山私道封鎖禁じる 長崎地裁仮処分 住民申し立て認める

 長崎市青山町の住宅団地の住民ら7人が、団地内の私道を一部封鎖した福岡県の不動産管理業者に通行妨害禁止などを求めた仮処分手続きで、長崎地裁(土屋毅裁判官)は14日、住民の申し立てを認め、業者に妨害禁止とバリケード撤去を命じる決定を出した。

 住民側弁護士によると、地裁は業者に対し、決定通知を受け取ってから7日以内にバリケードを撤去するよう命じた。応じない場合、住民側が地裁に申し立てれば、執行官が業者側の負担で撤去させることができるとした。地裁は決定理由を明らかにしていないという。

 審尋では住民が私道を無償で通れる通行地役権の有無などが争点だった。住民側弁護士は「申し立ては全面的に認められたと受け止めており、安堵(あんど)している」と述べ、今後は通行地役権を確定させるため、本訴訟を起こす意向を示した。一方、業者側は不服を申し立てることができ、「弁護士と内容を精査する」としている。

 住民の女性は「私道封鎖で団地の外に駐車場を借りることになり、買い物や通院が不便。仮処分が認められてうれしいが、以前のように通行できるようになるまでは安心できない」と語った。

 業者は昨年11月、団地内を通る延長約700メートルの私道と隣接する山林を取得。住民側に3千万円程度で買い取るよう持ち掛けたが、住民側は300万円程度が上限と回答した。その後、業者は1世帯当たり月数千円~1万円程度の通行料を求めたが折り合わず、一般車両の通行禁止を通告。10月2日から道の一部をバリケードで封鎖した。

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