フードバンク 安定運営模索 人員、資金確保に課題 佐賀市に3月設立

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まだ食べられるのに市場に出回らない食品を集め、生活に困っている子どもたちに届ける「フードバンクさが」(佐賀市)の設立から半年以上が過ぎた。食品を提供してくれる企業や団体、個人は少しずつ増えてきたが、スタッフの数や保管場所も限られる。寄付頼みの運営基盤もまだ不安定だ。手弁当で活動しているスタッフたちは、必要な人に食べ物が届く仕組みづくりに奔走している。

フードバンクさがは、食べられるのに廃棄される「食品ロス」を減らそうと活動する干潟由美子さん(55)やコープさが生活協同組合、子ども食堂の運営団体が3月に設立した。

食品提供の合意書を交わしているのは、コープさが生協と農家1人のみ。ただ、寺や他県のフードバンクなどの協力もある。8月から月1回、佐賀市のコープさが生協新栄店で顧客などに食品の提供を求めている。

集まった食品は、市中心部の中央大通り沿いにある事務所に保管。缶詰やレトルト食品、飲料、調味料が入ったケースが山積みになっている。支援を受けたいという団体が毎週水、金曜に受け取りにくる。

ただ、支援先は、子ども食堂や社会福祉協議会、自立支援団体など12団体にとどまる。フードバンクさがが今月、イベント参加者約230人に実施したアンケートでは約7割がフードバンクを「知らない」と回答。スタッフ15人は全てボランティアで、活動時間が限られる主婦もいる。十分には支援先を掘り起こせていないという。

ある企業から「トン単位であれば缶詰を提供できる」と申し出があったが、大量の食品を全て無駄なく、支援を必要とする人たちに届けられるか見通しが立たず、対応を協議している。

運営基盤もまだ安定していない。事務所の家賃や光熱費で月約3、4万円かかり、活動に賛同する会員の寄付で賄う。スタッフは中央大通りでのイベント時にコーヒーやカレー、かき氷などを販売し、不足しがちな運営費に充てている。

干潟さんは「お金も人も足りず、フードバンクの仕組みを知らない人も多い。実績と信頼を積み重ねて、食べ物がうまく循環する仕組みをつくりたい」と話している。

フードバンクさがは提供元や支援先、会員を募っている。フードバンクさが=0952(37)1300。(梅本邦明)