ホームが残っています【非電化路線に乗ろう01】大船渡線その7

※2016年11月撮影

千厩駅から3.6kmで小梨駅。

単式ホームですが、かつて相対式ホーム2面2線だった頃のホームが右側に残っています。

ホームには2006年(平成18年)に改築された待合室があります。有人駅時代の木造駅舎の方が風情があって個人的には好きですが。旧駅舎時代、無人化された昭和47年(1972年)から平成17年(2005年)までの33年間もの間旧千厩農協淸田支所が窓口業務を受託していました。「農協小梨駅」と住民から親しまれていたそうです。

駅名標。1928年(昭和3年)開業。気仙沼駅よりも古い駅なんだ〜、と感心。計画に無かった駅だったものを住民が熱心に運動して設置されたそうです。また不思議なことにこの駅の周辺に小梨という地名は存在していないのです。小梨という名前の小中学校もありません。昭和初期の古い地名かな、と思って調べたら分かりました。昭和31年(1956年)までこのエリアは岩手県東磐井郡小梨村だったのです。明治22年(1889年)町村制施行で小梨村が発足。それが1956年(昭和31年)千厩町、磐清水村、奥玉村と小梨村が合併して新制の千厩町になっていたのです。つまり大船渡線の駅名に小梨村の記憶が留められているのです。ある意味で素晴らしい。

小梨駅から500mくらいかな、国道284号線との間でかなり大規模な工事をしてました。航空写真で確認したら農耕地です。何の工事でしょうか。

あまり人家の多いエリアではない様です。風景まで寒いです。

小梨駅から4.2kmで矢越駅。

単式ホームのシンプルな駅。長閑な佇まいの好ましい前面展望です。

駅名標。この駅も1928年(昭和3年)開業。面白いのは、駅所在地が一ノ関市室根町矢越字五反田、五反田だったら山手線ですよね。駅周辺の人口は多くありません。駅を中心にした半径500mには、58世帯189人が生活しています。ちなみに、同じ範囲にJR山手線の五反田の場合は7352世帯12050人が住んでいます。(2010年国勢調査)

JR山手線の駅、同じ半径500mで最も人口が少ないのは、予想通り有楽町駅の226世帯364人、一番多いのは大塚駅の12839世帯20866人です。(2010年国勢調査)

暗くなってきました。フルオート設定では、被写界深度が浅くなりシャッター速度も遅くなって近景がボケて流れます。コレを狙って撮れればプロですが、筆者は「下手な鉄砲の乱れ打ち」の結果です。(笑)

2.1kmで折壁駅。

さて、終点の気仙沼駅まで、あとわずかです。どうにか明るいウチに到着できそうかな。

【非電化路線に乗ろう01】大船渡線その8 に続きます。

(写真・記事/住田至朗)

「【非電化路線に乗ろう01】大船渡線」一覧

© 株式会社エキスプレス