福建省の于書記が長崎県知事を表敬 興福寺の鐘 復活に協力

中村知事に興福寺の鐘の復活に協力すると述べる于書記(左)=長崎市宝町、ザ・ホテル長崎BWプレミアコレクション

 中国福建省トップの于偉国書記は14日、長崎市内のホテルで中村法道・長崎県知事を表敬訪問し、福建省とゆかりの深い興福寺(長崎市寺町)が来年創建400周年を迎えることから、戦争で供出した寺の鐘の復活に協力する考えを示した。
 興福寺は、日本で黄檗宗(おうばくしゅう)を開いた福建省出身の隠元禅師が滞在した唐寺。于書記は表敬に先立って興福寺を視察し、松尾法道住職から鐘がないことを知らされたという。
 于書記は「興福寺を訪ねて深い交流を感じることができた。これからも長崎県と手を携えて交流を深めていきたい」と述べ、鐘の復活に向け、寄付などで協力する考えを示した。
 また「若者たちに友好の種をまき、芽生えさせたい」とも述べ、高校生や大学生らの交流について在長崎中国総領事館を通じて協力していく考えも示した。
 来年は隠元禅師の出家から400周年でもあり、中村知事は来年9月に特別企画展を計画していることを伝え、鐘の復活について「素晴らしい提案をいただいた。資料が残っているか確認して協議を進めたい」と歓迎した。

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