大分トリニータ 全身全霊でゴールを死守する高木駿

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 今季のJ1リーグは残り3試合となった。残留を決め、「勝ち点50、1桁順位」と目標を上方修正したチームは、気負うことなく勝利に向けてまい進している。今季、ここまで先発フル出場するGK高木駿は、「プレーの質を上げてレベルアップしたい。残り試合でまだまだできることがある」と貪欲だ。

 

 昨季、J2で全42試合にフル出場し、大きな経験と自信を得た。「今までキーパーをやってきて、やっと輝けるものを見つけられた。自分に自信を持て、表現できるスタイルに出合えたことに感謝している」と話す。GKから丁寧にパスをつないで攻撃を組み立てる“大分のサッカー”の象徴的な選手として、チームに欠かせない選手となった。今季はJ1のストライカーを相手に好セーブを連発し、チームの勝利に大きく貢献した試合が数え切れない。

 

 サッカーにおいてGKは他のポジションと比べ特殊だ。最後尾に位置し、ピッチ全体を見渡す。唯一、手を使える選手として、ゴールを守る最後のとりでとなる。現在、サッカーにおいて、シュートストップだけでなく攻撃の組み立て、攻撃の起点となるロングキックなど、その役割はとてつもなく多い。優秀なGKの条件に“頭の良さ”“読みの鋭さ”“視野の広さ”を挙げる人は多い。無論、前提として足もとの技術やキックの精度、身体能力の要素は触れるまでもない。

 

今季もリーグ戦フル出場を続ける高木駿

 高木は何が優れているのかと問われれば、とにかく気持ちが良いぐらい一生懸命なのだと答える。ハイボールの処理一つとっても、バスケットボールのリバウンドのようにもぎ取る。守備範囲は広く、ペナルティーエリアを出て攻撃の芽を摘む。飛び出し過ぎて失点に絡んだプレーもあるが動じることはない。攻撃においても、パサーならいざ知らず相手を引きつけて慌てずパスを散らす。

「ミスをしないキーパーなんていない。キーパーは悲壮感を出したら終わり。ミスした時こそ気丈に振る舞う。あのミスは仕方ないと思わせるくらいないと。僕はミスした次のプレーこそ、大胆に積極的にプレーするようにしいている。ミスを恐れないでチャレンジした方が事はうまく運ぶもの」

 

 片野坂知宏監督が持ち込んだ攻撃的なサッカーにやりがいを持って取り組んでいる。高木はすがすがしいくらい吹っ切れている。ミスを恐れぬ果敢なチャレンジ。判断の潔さには目を奪われる。「今季残留できたことを自信につなげるためにも、いい終わり方をしたい」。全身全霊を傾けて、大分のゴールを決死の覚悟で守り抜く。

大分で自分を表現できるサッカーに出合えたと話す

(柚野真也)