いつもより欲張った山行を!1泊2日の登山プラン【中国・四国】 いつもは日帰りで楽しむ山。1泊すると、ちょっと欲張った楽しみ方ができますよ。いつも見ている景色だけど、夜や早朝だと、いつもと全然違う景色に。また、いつもは眺めるだけだった隣の峰まで足を延ばすことも。今回は中国・四国方面の1泊2日で楽しむプランをご紹介します。日帰り登山がメインの山では貴重な宿泊地の情報も併せて、次の山旅の参考にしてくださいね。

ついつい1日で行ってしまうけれど…

日帰りで登山可能な山、近くですぐに行ける場所にある場合は特に、そこだけを狙って行きがちですよね。手軽に日帰りで楽しめるのは楽で良いけど、1泊2日で行くと、また違った楽しみ方ができることも。

いつもとは違う景色を楽しめる

時間に余裕ができることで、近接する山々とセットで楽しむこともでき、いつもと違うルートを歩くことも可能になります。また、いつもは居ない時間帯だと、同じ場所からでも、違った景色を楽しむことができますよ。

宿泊場所の確認はしっかりと!

みんなが日帰りで行く山には、山小屋などの宿泊施設がない場合も。使える避難小屋、宿営地の有無。水場やトイレ事情など、しっかりと調べてから計画しましょう。

大山満喫、2つのピークを楽しむプラン

中国地方最高峰、日本百名山にも選定されている鳥取県の大山。以前は弥山から剣ヶ峰、天狗ヶ峰を経てユートピア避難小屋に至る縦走が人気でしたが、鳥取県西部地震による崩落で、現在はできません。今回は、現在の主峰である弥山と、人気の三鈷峰、2つのピークを続けて登るプランをご紹介します。

コース情報

行程詳細
1日目:夏山登山堂→弥山山頂→6合目→行者登山道→元谷避難小屋
2日目:元谷避難小屋→二俣→下宝珠越→三鈷峰山頂→下宝珠越→二俣→大神山神社奥宮→大山寺

おすすめポイント

通常はそれぞれ日帰りで行く「夏山登山コース」と「ユートピアコース」、2つの人気コースを続けて楽しめます。麓には美しいブナの原生林が広がり、ダイセンキャラボクが広がる広々とした弥山山頂からは日本海まで見渡せます。また、三鈷峰は荒々しい岩場。夏にはすぐ南にあるユートピア避難小屋周辺が美しい花々に囲まれます。

宿泊地:元谷避難小屋

20~30人入れる、広くてきれいな避難小屋です。トイレも設置されています。
装備を軽くしたい場合は、一旦大山寺へ下山し、宿泊施設を利用することもできます。大山寺周辺にはコンビニなどはなく、夜間食事を提供している店舗などもほぼありません。お気を付けください。

令和元年6月より、大山夏山登山道6合目避難小屋・頂上避難小屋・木道(頂上付近) にて工事を行っており、12月まで避難小屋、山頂碑周辺の木道への立ち入りできません。また、令和2年にも工事が予定されています。詳細は鳥取県ホームページでご確認ください。
鳥取県 大山頂上工事のお知らせ
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360度の大パノラマで夕日を眺める、那岐山縦走プラン

氷ノ山後山那岐山国定公園内、鳥取県と岡山県の境界にある「那岐山」。鳥取県側から、山形仙、広戸仙、滝山、那岐山と、岡山県側へ抜ける縦走路をご紹介します。山形仙へのルートは地図には載っていませんが、トレランレース「那岐ピークス タフトレイルチャレンジ」のコースにもなっています。

コース情報

行程詳細
1日目:菩提寺Aコースの登山口→山頂→山頂避難小屋
2日目:山頂避難小屋→滝山→広戸仙→山形仙→山形仙堀坂(滝尾)登山口→美作滝尾駅

おすすめポイント

花が見事なことでも知られており、サラサドウダンやドウダンツツジの群落が有名。日帰りの那岐山登山では味わえない、気持ち良い稜線歩きと、眺めの良い山頂からの、夕日、星空、日の出を味わえます。空気の澄んだ日には、大山に沈む夕日を見ることができますよ。

宿泊地:那岐山頂避難小屋

山頂直下にある避難小屋。キレイな小屋ですが、トイレは三角点峰まで行かなくてはありません。夜間は大変なので、携帯トイレを持参すると安心です。また、三角点峰は開けた場所なので、こちらでテント泊をすることもできますよ。

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比婆山~吾妻山~毛無山、ブナの森と草原を楽しむプラン

広島県庄原市にある比婆山は、日本神話ではイザナミノミコトが葬られたとされる地であり、御陵と伝えられる巨石が。頂上部から山腹一帯にはブナの純林が広がり、国の天然記念物に指定されています。今回は比婆山の西、島根県との県境に位置ずる三百名山、吾妻山も含めた周回ルートをご紹介します。

コース情報

行程詳細
1日目:県民の森公園→立烏帽子山→池ノ段→比婆山(御陵)→烏帽子山→吾妻山キャンプ場
2日目:吾妻山キャンプ場→吾妻山→休暇村吾妻山ロッジ→吾妻山キャンプ場→烏帽子山→毛無山→県民の森公園

おすすめポイント

比婆山と言えばブナ林ですが、周回することで大膳原(だいぜんばら)」の草原も楽しめます。イザナギノミコトが比婆山に眠るイザナミノミコトへ「ああ、吾が妻よ」と呼びかけたことからその名のついた「吾妻山」。こちらはイワカガミなどの高山植物も色々と楽しめますよ。

宿泊地:吾妻山大膳原野営場

吾妻山の麓にあるキャンプ場。トイレ、水場があり(注:水洗式トイレは凍結防止のため冬季は閉鎖)、キレイな休憩所があるので急な天候悪化の際なども安心です。ここからは吾妻山が良く見え、秋にはリンドウ、カワラナデシコ、ウメバチソウ、ワレモコウなどの花々とススキを楽しむことができます。

島根県ホームページ 大膳原(キャンプ場情報)

石鎚山~瓶ヶ森、ぐるっと周回プラン

西日本最高峰で日本百名山にも選ばれる、愛媛県の石鎚山。ロープウェイで途中まで上がれることから、日帰りで上る人も多いのですが、今回は四国百名山の一つ、愛媛県第三の高峰「瓶ヶ森」との周回ルートをご紹介します。石鎚山は険しい鎖場で有名な山ですが、苦手な方は巻き道を歩くこともできます。

コース情報

行程詳細
1日目:山頂成就駅→二ノ鎖小屋→石鎚山→二ノ鎖小屋→土小屋分岐→土小屋(宿泊施設)
2日目:土小屋→よさこい峠→シラサ峠→子持権現山→瓶ヶ森登山口→瓶ヶ森→新道分岐→高智八幡神社→西之川

おすすめポイント

石鎚山山頂からは、最高峰の天狗岳をはじめとする山々を見渡すことができます。天気の良い日は瀬戸内海の島々まで望むことができます。また、瓶ヶ森ではその名の由来となった山頂西側の湧水「瓶壺(かめつぼ)」を見に行きましょう。宿泊施設もありますので、1泊登山がはじめての方にもおススメです。

宿泊地:国民宿舎石鎚・土小屋白石ロッジ

◆ 国民宿舎石鎚

石鎚土小屋ルートの登山口の目の前にある国民宿舎。標高1,500メートルにある宿からは、四国の雄大な山並みだけではなく、美しい瀬戸内の海まで望めます。

◆土小屋白石ロッジ

石鎚神社土小屋遙拝殿の近くにある施設。瓶ヶ森へのハイキングの起点として人気。ロッジ正面のベランダからは、目の前に石鎚山、遠くに瀬戸内海を、右手には瓶ヶ森の笹原を望むことができます。
石鎚観光ホームページ

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徳島県の最高峰であり、百名山にも選定されている西日本で二番目に高い山、剣山。リフトで山頂近くまで行けることから、簡単なハイキングや観光でも人気の山です。山頂は広々としており、360℃の展望が開けます。今回は隣に連なる兄弟峰の弟分である次郎岌と、高知県の最高峰である三嶺との縦走コースをご紹介します。

コース情報

行程詳細
1日目:名頃登山口→林道登山口→三嶺→行者登山道→白髪避難小屋
2日目:白髪避難小屋→丸石→次郎岌→剣山→大剣神社→刀掛ノ松→西島駅→見ノ越登山口

おすすめポイント

三嶺から次郎岌、剣山にかけての天空の笹原は見事です。距離は長いですが、三嶺から次郎岌へは高低差があまりなく、楽しく歩ける稜線の道です。天空のお散歩を楽しんだあとは、剣山の山頂テラスで歩いて来た峰々を眺めてゆっくり過ごしましょう。

宿泊地:白髪避難小屋

白髪山分岐から東へ少し下ったところにある避難小屋。約15名が入れる小さな小屋ですが、きれいでしっかりした建物です。水場がありますが、足場が悪いので明るいうちに利用しましょう。

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時間にも気持ちにも“余裕”がある登山を

日帰り登山は手軽な面もありますが、駆け足の山行では見逃がしているものも多いかも。次の山行はぜひ、1泊でゆったりとした登山をしてみてはいかがでしょうか。

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