メッツ・バンワグネンGM シンダーガード放出の可能性を否定

エース級の才能を秘めたノア・シンダーガード(メッツ)は、近年トレード候補に挙げられることが多く、他球団からの注目を集めてきた。今オフには、ムーキー・ベッツ(レッドソックス)とのトレードを提案する者もいたほどだ。しかし、メッツには27歳の右腕を放出する意思はないようだ。MLB公式サイトでメッツの番記者を務めるアンソニー・ディコーモによると、ブロディ・バンワグネンGMはシンダーガード放出の可能性を否定したという。

バンワグネンの話によると、複数の球団がすでにメッツに対してトレードについての問い合わせを行ってきたという。しかし、バンワグネンは「シンダーガードは現時点では売り物ではない」と明言。トレードの可能性が取り沙汰されてきた先発右腕を放出する可能性を完全に否定した。

今季のメッツは、3年ぶりの好成績となる86勝をマークし、レギュラーシーズン終盤までワイルドカード獲得の可能性を残していた。2年連続でサイ・ヤング賞を受賞したジェイコブ・デグロムがエースに君臨し、若き主砲としてピート・アロンゾ(メジャー新人記録の53本塁打で新人王を受賞)が台頭してきたなか、来季はポストシーズン進出を目指すシーズンとなることが確実。2016年以来4年ぶりとなるポストシーズン進出を果たすためには、シンダーガードの活躍が必要不可欠というわけだ。

メジャー2年目の2016年に14勝9敗、防御率2.60、218奪三振の好成績を残し、2018年にも13勝4敗、防御率3.03をマークしたシンダーガードだが、今季は自身3度目の2ケタ勝利と同2度目の200奪三振を達成したとはいえ、10勝8敗、防御率4.28、202奪三振と不本意な成績に終わった。特に8月以降は2ヶ月連続で防御率4点台と調子を落とし、相性の悪いウィルソン・ラモスとバッテリーを組むことを拒否したことが一部で報じられたが、潜在能力はエースのデグロムに勝るとも劣らないものを持っている。

シンダーガードがデグロムと先発二本柱を形成するような活躍を見せることができれば、地区2連覇中のブレーブス、世界一に輝いたナショナルズ、大型補強を続けるフィリーズが所属する激戦のナ・リーグ東部地区を勝ち抜くチャンスもグッと広がっていくはずだ。

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