地方議会選挙はこう戦え!有権者全員に好かれなくていい?!|選挙プランナーによる必勝講座【選挙ノウハウ】

 

選挙プランナー松田馨が、政治家を志しこれから選挙への立候補を考えている方や現職政治家の方へ選挙に勝つためのノウハウを解説していく『地方選挙 必勝講座』。
今回は地方議会選挙にフォーカスし、いざ選挙に立候補する際の「どのように作戦を立て選挙活動を行っていくか」、その中でも訴えていく政策とその伝えるべきターゲットについての考え方を解説しようと思います。

町の全員に好かれなくてもいい?

立候補を決意してから、当選までの道筋を考えたときに「より多くの有権者の心にささる政策を掲げよう!!」と、思ったことはありませんか?
福祉の充実、子育て支援、防災強化などの政策をバランスよく主張すれば、より多くの有権者の期待に応えることができます。
しかし、これらの政策は多くの候補者の政策柱となることが予想され、有権者からみると政策で候補者を差別化することは困難となってしまいます。

地元地域の候補者たちが皆、良いとこ取りばかりしていては
「誰を選べば良いのか分からない・・・」
「どうせ誰を選んでも同じだろう・・・」
と、有権者が感じてしまうのも無理もありません。

ここで見方を少し変えてみましょう。

地方議会選挙は、首長選挙などの1人しか当選しない選挙とは異なり、定数が複数あります。この、1人ではなく何人も当選するというのが非常に重要なポイントです。

例えば定数が20の市議会議員選挙の場合、21人以上が立候補しているわけですから単純計算で「投票総数の20分の1」を獲得できれば当選できると考えらます。投票者の20人に1人があなたに投票してくれれば当選できるということは、極端な言い方をすれば、投票者の20人のうち19 人には無視されても好かれなくてもいいということになります。

「定数の中の1議席」を目標にターゲットを想定する

当選するためには、確実に「1/定数」を取るための戦略を考えていけば良いことが分かりましたが、では具体的にどのようにターゲットを想定していけばいいのかを整理していきます。

私が考える以下の①〜⑤を、ターゲットの軸として参考にご覧ください。

図1:出典「フルカラー図解 地方選挙 必勝の手引」p.74

記事スペースの関係上ここで全てを説明することは出来ませんが、その中でも参考例を1つだけ解説します。

居住年数と投票参加率の関係

ターゲットの軸の一つを①の「地域」と想定した場合・・・
活動地域を自分の出身地や居住地など、いわゆる地元に限定し、その地域内での活動量を徹底的に増やし、その地域からしっかりと票を取るというのが最も一般的なスタイルです。自治会や町内会の推薦などを得て、その地域の代表として活動をしている議員が数多く存在します。
総務省と公益財団法人明るい選挙推進協会が共同で行っている「第18回統一地方選挙全国世論調査(以下、同調査)」において、「投票した」と回答した人のうち、 現在住んでいる市区町村の居住年数が長い人ほど、投票参加率が高いという傾向がありました。あなたがお住まいの地域が、転出・転入が多いか少ないかということを分析し、より効果的な政治活動を展開できるように、進め方を工夫していく必要があります。

図2:出典「フルカラー図解 地方選挙 必勝の手引」p.75

投票率は上がらない。

選挙の現場では「投票率を上げれば勝てる」「若い人に投票に行ってもらえたら自分が有利になる」という発言を耳にすることかがあります。特に初めて選挙に関わる方が、こうした考えを持つのも無理からぬことだと思いますが、こうした他力本願の考え方では落選します。同調査によれば、投票率は年々低下の一途をたどっています。私は今後も投票率は下がり続けると予想しています。

図3:出典「フルカラー図解 地方選挙 必勝の手引」p.76

投票率については、地方議会選挙の1候補者・1陣営の働きかけで上がるようなものではありませんし、投票率が上がることがそのままあなたの得票につながるとも限りません。国政の与党系候補は低投票率で有利、無所属や野党系の候補は投票率が上がると有利と言われますが、実は一概には言えません。

全体の投票率よりも支持者の投票率

当選に必要なのは以下の2つだと考えます。

図4:出典「フルカラー図解 地方選挙 必勝の手引」p.77

ターゲットを想定して働きかけを重ねることで、①を増やしていきます。これが政治活動期間の目標です。この目標を忘れないでください。
「私を応援してください」「後援会に入会してください」「ポスターを貼らせてください」などのお願いをすることは、精神的に負担がかかることだと思います。こうしたお願いが苦手な方や支援者の方は辛いと思います。しかしそれでも、はっきりと自分の応援をお願いしていくことが当選への近道です。

そして選挙運動期間中は、②を目標に支持者の投票率100%を目指して運動を展開していくことになります。選挙運動期間の動きについてはまた別の機会に詳しく説明しようと思います。

今回解説が出来なかったその他の効果的なアプローチ方法については、選挙マニュアル本「フルカラー図解『地方選挙必勝の手引』」にてより詳しく解説を行っています。より深く知りたい方はぜひご一読下さい。

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