川崎の台風浸水、初の住民説明会 市対応に批判相次ぐ

浸水原因などについて質問が出た住民説明会=川崎市高津区の市立東高津小学校

 台風19号で川崎市の多摩川沿いの広範囲が浸水被害に遭ったことを受け、市は14日夜、初の住民説明会を市立東高津小学校(高津区)で開いた。市は、水位の増した多摩川の水が排水管を逆流して街中にあふれ出したことが被害を招いたと説明。住民からは、排水管の水門を閉じて逆流を防がなかった市の対応を批判する声が上がった。

 これまでの市の調査で、排水管の逆流現象は市内5カ所で確認された。浸水の発生メカニズムや市の対応を伝えるため、市は当該地域を対象に順次説明会を開くことにしている。今回はその第1弾で、約400人の住民が詰め掛けた。

 市側からは上下水道局の幹部ら約10人が出席。水門を閉めると地域内に降った雨水を多摩川に排水できなくなる恐れがあることから「操作手順では、降雨の場合は水門を閉めないことになっている」と述べ、市の対応に理解を求めた。

 参加者からは「水門を閉めていたら逆流は防げており、こんなにひどい浸水にはならなかった」「2年前の台風でも浸水があった。対策はしていたのか」などの意見が出た。市側は「同様の状況になっても被害を最小限にできるよう、本年度末までに対策を示したい」と答えた。

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