「大涌谷」立ち入り再開 観光客続々、黒たまごに行列も

再開初日の大涌谷園地で噴煙を眺める観光客=15日午前11時15分ごろ、箱根町

 箱根山(神奈川県箱根町)の火山活動の影響で立ち入り規制が続いていた大涌谷園地が15日、半年ぶりに再開した。名物「黒たまご」を販売する土産物店や箱根ジオミュージアムなども営業を再開。秋晴れが広がった人気スポットに大勢の観光客が訪れ、噴煙地のダイナミックな景観を楽しんだ。

 国内外からの観光客は、大涌谷駅で降車できるようになった箱根ロープウェイをはじめ、乗用車やバスなどで続々と来園。火口から噴煙が上がる様子や富士山などを写真に収めていた。黒たまご売り場には行列もでき、製造・販売する奥箱根観光によると予定の3千袋を上回る売れ行きだったという。

 埼玉県杉戸町から訪れた主婦吉岡千里さん(55)は「噴煙を間近で見ると迫力がある」。東京都品川区の専門学校生吉田優花さん(21)は「噴煙の景色を見ながら食べるのは格別」と黒たまごをほおばった。

 駅前では、黒たまごの無料配布や芸者のバンド演奏など再開を盛り上げるイベントも。山口昇士町長は「普通の大涌谷が戻ってきた。深まりゆく秋を噴煙とともに楽しんでほしい」と呼び掛けた。

 園地の開放は午前9時から午後5時まで。自然研究路は歩道の再整備が未完了などの理由で、立ち入り規制が続いている。

 園地は、噴火警戒レベル2への引き上げに伴い5月19日から全面的に立ち入りが規制されていた。10月7日に警戒レベルは1に下がったが、台風19号の影響で再開準備がずれ込んでいた。

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