黄金色のつばき油とろり 五島 昔ながらの製法で

砕いて蒸したツバキの実を、圧力をかける機械にセットする今村代表=五島市平蔵町

 長崎県五島市で特産のつばき油の製造が本格化している。昔ながらの製法を守る今村椿製油所(平蔵町)では14日も、午前4時ごろから作業。昭和初期から大切に使い続ける機械が、透き通った黄金色の油を作り出し、作業所には甘く香ばしい香りが漂う。
 1929年創業。2代目の今村光次代表(69)が家族と営んでいる。「玉締め式」と呼ばれる製法で、ツバキの実を粉砕して蒸した後、圧力をかけて油を搾り、和紙でろ過している。
 今シーズンは10月上旬に製造を開始。5月ごろまで続き、市内の農家などから計約20トンの実を仕入れ、油の生産量は6トンほどになる見込みという。油は化粧品メーカーに納品したり、インターネットで販売したりする。
 今村代表は「体にいい油で、食べても、髪や肌に塗っても良い。多くの人に使ってほしい」と話した。

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