民家全焼、4遺体 山口、中学生ら家族不明

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全焼した炭谷さん方=15日午前8時5分(山口市阿東生雲東分)
池田亜来亜さん

 15日午前1時5分ごろ、山口市阿東生雲東分(あとういくもひがしぶん)の無職炭谷延治さん(76)方に住む女性から「建物から火が燃え広がっている」と119番があった。木造平屋一部コンクリートブロック造りの民家約130平方メートルが全焼し、焼け跡から4人の遺体が見つかった。

 山口署などによると、炭谷さん方は5人暮らし。出火当時、炭谷さんは入院中で家におらず、妻の美知代さん(71)と息子の功二さん(35)、娘の池田加奈子さん(31)、孫娘で中学1年の池田亜来亜(あくあ)さん(12)の計4人と連絡が取れないという。見つかった遺体のうち2人は成人の男女とみられる。

 現場は山口市中心部から北東に約20キロほど離れた山あいに民家が点在する田園地帯。消防車など12台が出動し、約2時間半後に鎮火した。

 近くに住む無職男性(63)は「午前1時ごろ、ボンという破裂音で跳び起きた。外に出ると、かなりの勢いで民家から火が上がっていた」と話していた。

 ▽「無事で」同級生ら沈痛

 無事でいてほしい―。山口市阿東生雲東分で15日に起きた民家火災。炎は電柱の高さまで上がり、未明の山里にサイレンが鳴り響いた。連絡が取れない阿東中1年池田亜来亜さんたち一家4人の安否を住民や同級生たちが気遣い、悲嘆に暮れた。

 「元気で明るい女の子。みんなの人気者だった。一緒に遊んだばかりだったのに」。小学校から同級生の女子生徒(12)はうつむき気味に話した。この日、亜来亜さんは学校に連絡がないまま欠席した。

 同中は生徒41人の山あいの小さな学校。全校集会で火災を報告した藤本正和校長は「生徒たちは大変ショックを受けている。昨日まで元気に登校していた。無事でいてほしい」と沈痛な表情を浮かべる。近所の女性(78)も「お母さんと仲良しで、よくおしゃべりする利発な子だった」と話す。

 火災の一報は午前1時すぎ。「火が燃え広がってます」。家人の女性が消防に助けを求めたが、その後、通報者との連絡は途絶えた。全焼した炭谷延治さん方からは身元不明の4人の遺体が見つかっている。親族の男性は「生きているかもしれない。わずかでも希望をつなぎたい」と言葉少なに語った。

 山口県内では今月に入り火災が相次ぐ。9日に光市で民家が全焼し、無職男性(67)が死亡。10日には下関市で5歳と3歳の姉妹が犠牲となっている。(佐藤憲佑、中川晃平、東聡海)