世界の子救うジャム 市民まつりで販売へ 三浦

包装袋作りに取り組む「はっぴー子育て応援団」のメンバーら

 子育て支援に取り組む神奈川県三浦市の市民グループが、地元と二つの姉妹都市の名産をコラボレーションさせたオリジナルジャムを完成させた。17日開催の「みうら市民まつり」で販売し、経費を除いた収益金を貧困に苦しむ海外の子どもたちのために寄付する予定だ。

 市民グループは、保育園の元園長ら約10人でつくる「はっぴー子育て応援団」。リンゴとニンジンに蜂蜜を加えたものと、リンゴとサツマイモに同じく蜂蜜を入れたもの(各600円、150グラム)の計2種類を作った。

 リンゴは市が姉妹都市提携を結んでいる長野県須坂市産で、蜂蜜も姉妹都市のオーストラリア・ウォーナンブール市産。これらはグループが購入し、規格外のサツマイモ約25キロや豊作のため活用先を探していたニンジン約25キロを地元の農家から譲り受けた。

 横須賀市内のジャム店に材料を持ち込んで製造を依頼し、約1週間前に完成。色鮮やかで、素材の味が生かされた甘い味に仕上がったという。

 ジャム作りは、今回で2回目。国連が掲げる「持続可能な開発目標(SDGs)」の一つ、「質の高い教育をみんなに」などを実践しようとの思いがある。

 グループは以前、世界に目を向けてもらおうと子ども向けのワークショップを開催。その中で、貧富の差があり、十分な教育を受けられていない海外の子らについて学んだことが出発点になったという。

 何か力になれないかとジャム販売を通じた寄付を発案し、昨年のみうら市民まつりで販売。200個を完売させ、その収益を非政府組織(NGO)を通じてインドの児童に寄付し、本100冊の購入に結んだ。

 今回は数を倍に増やし400個を販売。当日の販売は親子12組が担う。経費を除いた収益を寄付し、教育環境の改善に役立ててもらいたいとしている。

 ジャムの名前は「みんながつながるジャム」。包装袋はメンバーらが英字新聞の古紙で手作りしたのも、SDGs達成に向けた一つの実践例だ。同グループの松岡かおりさんは「ジャムを通じて、誰一人取り残さず、どうしたら世界中の皆が幸せになれるか考えてほしい」と話している。

 みうら市民まつりは、17日午前10時から午後3時まで、潮風アリーナ(同市初声町入江)や周辺で開催される。主催は市などでつくる実行委員会。約140の市民団体が活動紹介や物品販売をするほか、ステージ上ではダンスや音楽のライブが催される。

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