価格底上げ好評 JAおおいたコメ買い取り制度1年【大分県】

長雨や害虫で生産環境悪化、組合員の“助け”に

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JAおおいた中西部事業部の倉庫に集められた庄内地域のコメ。今年は長雨や害虫の影響で例年の8割程度の量という=由布市庄内町

 大分県農協(JAおおいた)は今年の一般主食用米の買い取りをほぼ終了した。生産者の要望を反映し、買い取り価格の底上げを実施。長雨や害虫の被害に見舞われ厳しい生産環境の中、収益確保につながり、組合員の受け止めはおおむね好評のようだ。県内は米穀卸売業者の影響力が強く、JAの買い取り量の増加につながるかも注目される。

 JAおおいたは買い取り制度を2018年産の主食用米から全面導入した。組合員から買ったコメの代金を一括で支払っている。

 従来の委託販売方式は、仮払金を支払ってから最終的な精算まで約1年半かかっていた。仮払金よりも民間業者の買い取り額の方が高く、金銭の受け取りに時間もかかるため生産者から不満が出ていた。

 今年の買い取り価格は早期米(1等玄米、60キロ)で1万4500円。普通期米はヒノヒカリ(同)が1万3500円、にこまる(同)は1万3020円など。いずれの1等米も昨年より200円ほど高く設定した。

 1等米と2等米の価格差の縮小を求める声にも対応。2等米の価格を引き上げ、価格差を600円から300円に変更した。3等米の価格も底上げした。

 今年は7月以降の長雨や害虫の大発生が影響し、県内のコメ生産量を示す作況指数は85の「不良」。品質にも影響が出ており、2等米、3等米の比率が多いという。規格外になるコメも例年にない多さで、等級間の価格差の縮小が生産者を助ける結果となった。

 由布市庄内町でコメを作る50代男性は「支払いトラブルの心配がないJAが、迅速な精算をしてくれるのはありがたい」と話す。

 県内はコメ農家と米穀卸売業者の直接取引が盛んで、年間約10万トンあるコメ生産量の約7割を業者が買い取っている。全国的に見ても高い割合。JAおおいた農畜産課は「気象の影響などで前年と比較するのは難しいが、買い取り制度の運用は順調。販売を有利に進め、農家収入を増やすためには量が必要。ぜひ集荷に協力を」と呼び掛けている。