大岡衆院議員、自治連会長に無料で飲食提供 滋賀県選管「公選法抵触の恐れ」

大岡氏の後援会が主催した政治資金パーティーの来賓向け招待状。会費1万円の文字の上に「御招待」のスタンプが押されている

 自民党の大岡敏孝衆院議員(47)=滋賀1区=が、自身が代表を務める後援会が主催する政治資金パーティーで、来賓として出席した選挙区内の大津市の学区自治連合会長25人に、無料で飲食を提供していたことが15日、分かった。公職選挙法は、有権者への無料飲食提供を寄付行為とみなして禁じており、滋賀県選挙管理委員会は「同法に抵触する恐れがある」としている。

 パーティーは4日夜、大津市内のホテルで開かれた「大岡としたかを囲む会」。後援会事務所によると、会費は一口1万円だが、出席者約550人のうち、知事や国会議員、県議、市議ら約40人、市内36学区自治連合会長を来賓として無料で招待し、料理や酒を提供したという。来賓のうち、飲食した人数は分からないという。
 取材に対し、大岡氏は「3、4年前、県選管に問い合わせた。パーティーの原価2千円に見合う(首長らの)あいさつや、政策立案のための地元との意見交換があれば、(無料招待は法的に)問題ないと私が判断した」と説明した。
 一方、県選管は、大岡氏側からの問い合わせ記録は残っていないとした上で、「個別の案件に『(法的に)絶対に大丈夫』という判断を伝えることはない。参加者との意見交換の対価として、会費が無料になるという理屈はあまり聞かないし、大岡氏のケースは同法に抵触する恐れがある」としている。
 大岡氏は「もし外部から『おかしい』と言われることがあるなら改善したい。来賓の範囲を見直すとか、食事を提供しないことも検討する」などとしている。
 大岡氏は静岡県議などを経て2012年に初当選し、現在3期目。15~16年に財務政務官を務めた。

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