【社説】転機のコンビニ 便利さ一辺倒改めねば

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 コンビニの24時間営業が転機を迎えた。ファミリーマートは、営業時間の短縮をフランチャイズ加盟店が希望すれば原則容認することを決めた。

 深刻な人手不足に加え、人件費も上昇し、24時間営業に耐えられないところが出てきたからだ。セブン―イレブン・ジャパンとローソンも一部の店舗で時短営業を始めている。

 いつでも利用できる便利さを売りに成長してきたコンビニだが、売上高の拡大を優先するビジネスモデルを見直さざるを得なくなったといえる。

 ファミマによれば、店を閉める時間は午後11時から午前7時までの間で加盟店側に選んでもらう。日曜日だけにすることも可能だ。来年3月にも契約を改定する。

 本部の同意がなくても、店側の判断で導入できる制度は大手で初めてという。圧倒的な力で加盟店を支配してきた本部の姿勢の変化は評価したい。

 働き方改革は時代の要請でもある。現場の労働環境に配慮し、時短をしても利益を生み出せるよう業界を挙げて新しい仕組みを再構築してもらいたい。

 コンビニの24時間営業が問題になったのは、2月に大阪のセブン―イレブン加盟店が人手不足を理由に時短を始め、本部と対立したのがきっかけだった。

 加盟店店主らの厳しい労働実態や、本部と加盟店のいびつな関係が浮き彫りになり、大手コンビニへの批判が強まった。

 経済産業省が是正に乗り出したこともあって業界もようやく重い腰を上げ、時短営業の実験を始めるなど、加盟店との関係を重視する改革を進めてきた。

 ただ時短営業がどこまで広がるかは不透明な部分も多い。

 セブン―イレブンでは今月から一部店舗で時短営業を正式に始めたが、加盟店が本部に払うロイヤルティーは24時間営業の店舗に優遇されたままだ。時短営業をするしないにかかわらず、平等な契約を結ぶのが筋ではないか。

 時短営業を導入する店が増えれば配送ルートの変更や新たなトラックと運転手の確保を強いられる。食品ロス問題の追加対策を求められる可能性もある。

 かさんだコストの負担を加盟店に押しつけるようなことになっては、時短営業も一部の店の取り組みにとどまりかねない。流通システムまで踏み込んで改革する必要がある。

 どんなに成功したビジネスモデルも社会や経済環境が変われば通用しなくなるのは当然のことだ。

 コンビニは1970年代に登場し、全国各地に店舗網を広げ続け、今や大手3社だけで約5万店を数える。日本人の生活スタイルも変えてきたといっても過言ではない。

 ただ人口減少を背景にコンビニ各社による客の奪い合いは激化するばかりで、ドラッグストアやネット通販など新業態からの攻勢も強まる。

 商品の食べ物が大量に廃棄される「食品ロス」への批判も強まっている。消費者も含めて便利さばかりを追求してきた過剰サービスを改める時を迎えているのだろう。

 買い物だけでなく金融サービスなども提供するコンビニは生活を支えるインフラである。時代に合った持続可能なビジネスモデルを探ってほしい。