大嘗祭「大嘗宮の儀」終える 

 天皇が即位後、一度だけ行う皇室の祭祀「大嘗祭の大嘗宮の儀」が14日夜から15日午前3時過ぎまで行われた。7世紀末から形成された国家規模の大嘗祭は「天皇統治下の安泰・豊穣」を目的に、天皇が律令に基づいて天下を統治する古代国家の成立と連動した祭祀儀礼とされ、「斎田」で収穫された米などを天照大神や神々に陛下自ら供えてのち、自らも口にする

 1代1度の「神事」で宗教色の強さや大嘗祭の本来の目的からは国民主権や政教分離の原則と相いれないため、国費を投じ行うことには疑問が提起されている。

 一方で、国民統合の象徴としての天皇の位置づけから「公的性格もある」として「天皇統治下の祭祀」ではなく、「国民統合の象徴として陛下が国と国民の安泰、五穀豊穣を祈る」ための皇室行事として公費で賄うことに整合性を図ろうとする考えもある。

 大嘗祭費用や規模の在り方については秋篠宮殿下も公費(宮廷費)からの支出に「適当かどうか」と述べられ、祭祀の在り方について「身の丈に合ったものに」と提示されている。今回の大嘗祭費用は総額約27億円。平成の大嘗祭より約5億円増えた。大嘗祭の在り方については時間をかけ、多くの国民が納得できる方法の検討が求められている。(編集担当:森高龍二)

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