被爆体験者の説明を 長崎大司教区に要望 協議会会員ら

「焼き場に立つ少年」に関係する資料を担当者に渡す全国被爆体験者協議会のメンバー=長崎市、長崎大司教館

 24日に来崎するローマ法王フランシスコが関心を寄せる写真「焼き場に立つ少年」について、全国被爆体験者協議会の会員らが15日、被写体の少年は「被爆体験者」の可能性があるとして、法王に被爆体験者の説明をするようにカトリック長崎大司教区に要望した。
 被爆体験者は、国の指定地域(爆心地から南北約12キロ、東西約7キロ)の外で長崎原爆に遭った人で、被爆者健康手帳を受けられない。「焼き場に立つ少年」の被写体の人物は特定されていないが、爆心地から東に約10.5キロの戸石村(現長崎市)にいたという説もある。
 協議会のメンバーは長崎市橋口町の長崎大司教館を訪問。被爆体験者の証言や、写真が撮影された可能性がある場所の地図などの資料を担当者に手渡し、高見三明大司教を通じて法王に説明してほしいと要望した。
 協議会メンバーでカトリック信徒の岩永千代子さん(83)は「少年がもし被爆体験者ならば、私たちのようにつらい経験をしているはずだ。法王にも分かってほしい」と話した。

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