「過労死ライン」残業80時間超 延べ6785人 長崎県内公立小中教職員 昨年度、100時間超2173人

 長崎県内公立小中学校で「過労死ライン」とされる月80時間超の時間外労働をした教職員が2018年度、延べ6785人いたことが15日、長崎県教委への取材で分かった。うち100時間超は同2173人。前年度はそれぞれ、同8027人、同2461人だった。超過勤務は減少傾向にあるが、長崎県教委は2023年度までに80時間超をゼロにする目標を掲げており、「引き続き各市町教委と連携して超過勤務の縮減に努める」としている。

 長崎県教委の調査によると、80時間超の教職員の内訳は小学校延べ725人、中学校延べ6060人。教職員全体数に占める割合は小学校1.1%、中学校14.7%だった。超過勤務の原因と思われる主な業務内容は「部活動・社会体育など」が最多の64.2%。「校務分掌・会議会合など」(20.5%)が続いた。

 教職員の長時間労働を巡っては、文部科学省は1月、勤務時間の上限に関するガイドラインで、情報通信技術(ICT)の活用やタイムカードなどで勤務時間を管理するよう求めた。長崎県教委義務教育課によると、今年9月末時点で、長崎県内21市町の教育委員会のうち12市町教委がタイムカードなどを導入。4月からは部活動の時間を平日2時間、休日3時間とする取り組みなどが進んでおり、本年度の超過勤務はさらに減少する見込みという。

 一方、県立の中学、高校、特別支援学校では2018年度、80時間超が延べ5701人、100時間超は延べ2692人だった。超過勤務の原因は「部活動など」が48.7%を占め、「校務分掌」(16.3%)、「クラス担任業務」(12.3%)と続いた。

 県立の中学、高校、特別支援学校は4月、勤務時間を記録するシステムを導入。県立校でも超過勤務は年々減少傾向にあり、長崎県教委高校教育課は勤務時間の適正管理に向けた各校の独自の取り組みに加え▽行事の縮減▽定時退校日の設定▽夏休みの閉校日導入-などが奏功しているとみている。

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