ローマ法王 長崎訪問まで1週間 準備順調「心待ち」

設営作業が進むミサ会場の県営ビッグNスタジアム=長崎市、稲佐山から

 ローマ法王フランシスコの長崎市訪問が1週間後に迫った。ミサが執り行われる県営ビッグNスタジアム(松山町)では会場設営の作業が進む。カトリック関係者らでつくる「教皇訪日長崎実行委員会」の中村満委員長は、38年ぶり2度目の法王来崎へ「準備は順調。来崎を心待ちにしている」と話している。

 ビッグNには県内外から約3万人の信者らが集まる予定。16日はシートを敷いたグラウンド上で作業が行われた。教会関係者らは市内で当日の流れを確認した。
 法王はビッグNのほか、松山町の爆心地公園と西坂町の日本二十六聖人殉教地(西坂公園)を訪ねる。爆心地公園の集会には被爆者や地元小学生、高校生ら約千人が参加。西坂公園には教会関係者ら約1100人が出席を予定する。隣の日本二十六聖人記念館は法王の等身大パネルを飾り、歓迎ムードを醸し出す。
 両公園では本番数日前に会場を設営する。公園管理者の市は、除草や樹木の手入れ、老朽化した案内板の取り換え、舗装の洗浄などの準備を進めてきた。
 交通渋滞が予想されるため、幹線道路上には24日の法王来崎に合わせてマイカー使用の自粛を呼び掛ける電光表示も出ている。
 法王は爆心地公園で核兵器廃絶のメッセージを発信する。16日に公園を訪れた佐世保市の女性団体職員(52)は、天皇陛下が10月の「即位礼正殿(せいでん)の儀」で世界平和への願いを述べられたことに触れ、法王の来崎にも「いいタイミング。メッセージに注目したい」と期待した。

日本二十六聖人記念館の玄関に飾られている法王フランシスコの等身大パネル=長崎市

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