《論説》茨城の魅力 実力高め生活の向上を

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日本人は昔からランキングが好きだった。江戸時代にも、さまざまな番付(ランキング)が作られた。現代の日本人もランキング好きは変わらないようで、さまざまなランキングが話題となる。

民間シンクタンク「ブランド総合研究所」による魅力度ランキングもその一つ。データを施策の評価指標として活用している自治体もある。今年も先月発表され、本県は7年連続で最下位となった。

県民の中には釈然としない思いの人も少なくないだろう。県営業戦略部の担当者も「きちんと魅力が測られているのかという疑問は残る」と語る。

たかがランキングといってしまえばそれまでだが、評価を通して見えてくるものもある。どれだけ本県の観光地としての魅力やイメージを県外の人々に伝え、繰り返し訪れてくれる「ファン」を増やせているか、もう一度検討する余地はあるだろう。

基幹産業である農業では、レンコンやレタス、クリ、メロン、ピーマン、ハクサイなど14の作物が収穫量日本一を誇り、首都圏の台所を支えている。鹿島臨海工業地帯や筑波研究学園都市を抱え、太平洋を望む四つの港湾は物流の拠点となっている。

観光地も、春はネモフィラ、秋はコキアで知られる国営ひたち海浜公園や、日本一のサメの飼育数・種類数を誇るアクアワールド県大洗水族館、歴史が息づく筑波山や偕楽園、袋田の滝など名所は数多い。サッカーJリーグで最多優勝を誇る鹿島アントラーズの本拠地は鹿嶋市だ。

首都圏第3の空港として建設された茨城空港も来年の東京五輪を控え、政府が訪日外国人を2千万人との目標を掲げている中で存在感を増している。

伸び続ける航空需要に対して成田、羽田両空港だけでは十分とは言えず、インバウンド(訪日外国人)やLCC(格安航空会社)の需要の拡大とともにさらに注目を集めていくだろう。

高速道路網も整備され、生活の利便性も向上した本県の豊かさや魅力は数え切れない。

ただ、こうした情報を外に向かって十分に発信できているかということは考えねばならない。観光地も点を線や面として観光客を受け入れる工夫や、宿泊したくなるような魅力づくりは果たして十分だろうか。観光客の視点で考えねばならない。

県は観光地や県産品などの情報発信に力を入れており、動画配信アプリを使って観光スポットを紹介している。

県の担当者は「茨城のいいものやいいところを知ってもらい、実際に来てもらって県産品を買ってもらうことが重要で、新たな手法にも挑戦している」と語る。

県民生活を第一に考えれば医師の偏在解消や高齢者政策、教育や保育の充実、若者の雇用確保など課題は少なくない。着実に解決して、不安のない生活環境を築かねばならない。

大切なのは、名ではなく実であるということ。ランキング評価に一喜一憂するのではなく、県民生活の向上を図っていくことが求められる。

さらに、これまで以上に本県を訪れ、味わってもらえるようにするためには、外部からの視点や意見も参考にしながら、観光地の魅力や特産物などへの評価を高めていくことが重要である。