V長崎 髙田社長“退任セレモニー” 選手、サポーターが感謝

選手らに笑顔で胴上げされるV長崎の高田社長=諫早市、トランスコスモス長崎

 恒例のホーム最終戦セレモニーは、髙田社長の“退任セレモニー”に様変わりした。選手、サポーターは感謝の思いを寄せ書きしたユニホームや横断幕を贈り、「ピッチに立つのが夢だった」という髙田社長のために手倉森監督とのPK対決も実現。最後は、選手たちの手で3度宙に舞った。

 勇退前最後のホームゲームになった髙田社長。あいさつに立つと、客席からはこの日一番の拍手が沸き起こった。勝利で終えることができなかったものの「私の気持ちはすがすがしい」と晴れやかな表情で語り始め、「プレーオフにも行けなかったけれど、皆さんと一緒に戦った事実があるから悔いはない」と前向きなメッセージを発信し続けた。

 試合前はJR諫早駅とトラスタを結ぶ「V・ファーレンロード」を歩いてファンと交流。ホームゲーム時に無料で料理を振る舞っている商店にも1軒ずつ足を運び、日ごろの協力への感謝を伝えた。J1昇格時から活動を続けている「お茶処しまだ」(諫早市永昌東町)の店主、嶋田祐子さんは「V長崎のおかげで新しい出会いや楽しみがたくさんできた。社長が人生の扉を開いてくれた」と目を潤ませていた。

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