【プレミア12】侍Jが決勝に向けて準備完了 「すべき人にしてもらった」バント、足技が成功

金子誠ヘッドコーチ兼打撃コーチ(右)【写真:Getty Images】

日本、韓国両軍野手が全員出場した“消化試合”の16日のスーパーR最終戦

■日本 10-8 韓国(プレミア12・16日・東京ドーム)

 野球日本代表「侍ジャパン」は17日、「第2回 WBSCプレミア12」(テレビ朝日系列で放送)で韓国との決勝戦に臨む。16日にはスーパーラウンド最終戦となる韓国戦が行われ、日本は10-8で勝利。決勝戦に向けた前哨戦としての意味合いが大きかった一戦で、野手はベンチ入りメンバー全員が出場した。

 決戦を前に手の内を明かさない、という方法もあった中での“総力戦”。金子誠ヘッドコーチ兼打撃コーチは「全員使ってしまいましたね」と語った。韓国打線もこの日は主軸の多くをスタメンで起用しなかったが、試合が進むにつれてメンバーを入れ替え、結局野手15人を全員投入した。

 しかし投手陣には関しては両チームとも勝ちパターンの継投は見せず、この日14安打と爆発した侍打線にも金子コーチは気を緩めない。「明日はまた違うと思うので。実際対戦してみないと。明日はまたゼロからですね、球場の雰囲気も違うでしょうし」と語った。

 決勝を前に意識するところはもちろん多いに違いないが、「今日のミーティングでは何も話していない、試合に勝つのがテーマ」と“消化試合”にはしなかった。韓国投手陣は決勝戦とは違うとはいえ2番坂本、3番丸がうまく繋がり、今大会で不振だった吉田も5打数2安打。スタメンに復帰した菊池涼介内野手(広島)は1打席目からヒットが飛び出すなど、決勝戦に繋がりそうな成果も得られた。「アジア(の選手)はやっぱりタイミングを取りやすい、球質は日本のピッチャーとは違いますが」と話す。

 また特別な指示はしないまでも、決勝に向けて様々な要素を散りばめた。「バントすべき人にはしてもらった。バントを決めて、明日気が楽になるでしょう。やはりバントしていなかった選手が久々に、というのはね。何回やっても固くなるものなので」と金子コーチ。この日は3回に丸がバントを試みて内野安打とし、途中出場の外崎も送りバントを決めた。

 さらに外崎は代走で出た3回に二盗を成功させると、7回にも四球で出塁し、盗塁に成功。「外崎もなかなか出せる機会がなかったが、塁に出て一発で走れた。もちろん明日は警戒はされるだろうが」と金子コーチ。足技の“予行演習”にも成功した。

 決勝はもちろん総力戦。この日は見られなかった“代走・周東”というジョーカーも持っている侍ジャパン。世界一に向け、準備は整った。(臼井杏奈 / Anna Usui)

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