【プレミア12】柳田、千賀、菅野は「絶対に必要」 前田智徳氏が語る東京五輪に不可欠な選手は…

テレビ朝日系列で解説を務める前田智徳氏【写真:福谷佑介】

「プレミア12」のメンバーからは外れている3人、菅野と千賀には「経験値がある」

「第2回 WBSC プレミア12」(テレビ朝日系列などで放送)は11日から東京ドームとZOZOマリンスタジアムでスーパーラウンドが行われ、野球日本代表「侍ジャパン」と韓国が決勝進出を決めた。このプレミア12は来年に行われる東京五輪の予選も兼ねており、日本を除く、この大会のアジア・オセアニア大陸の最上位1チームとアメリカ大陸の最上位1チームが五輪の出場権を獲得。すでに韓国が五輪切符を手にした。アメリカ大陸はメキシコとアメリカが3位決定戦に進んだため、勝ったほうが五輪出場となる。一方、自国開催の五輪で金メダルを目指す日本にとってはチーム強化のための重要な国際大会となっている。

 それだけに稲葉篤紀監督も東京五輪を見据えて、今回の侍ジャパンメンバーを選考。怪我やコンディション不良などで辞退者、離脱者が出てしまってはいるものの、現状、NPBに在籍する球界トップレベルのメンバーが集まったと言える。そして、見事に決勝進出。宿敵・韓国と激突する。

 今大会での世界一を目指すのはもちろんだが、“稲葉ジャパン”の最大の目標は東京五輪、そしてそこで悲願の金メダルを獲ることだ。「プレミア12」を放送するテレビ朝日系列で解説を務める元広島の前田智徳氏はFull-Countのインタビューに応じ、今回のメンバーには不在ながら、五輪には「絶対必要」という選手を挙げた。

 前田氏が五輪の代表に不可欠な存在だとして挙げたのは、投手でソフトバンクの千賀滉大投手と巨人の菅野智之投手、そして野手でソフトバンクの柳田悠岐外野手の3人だ。

「まずはピッチャーを含めて守りが大事です。その中で菅野くんと千賀くんは絶対必要ですよね。能力は誰もが認めるところですが、それに加えて2人には経験値がある。2人はWBCでも投げていますし、菅野くんは前回のプレミアでも投げています」と前田氏。WBCでも登板経験のある2人の経験値は五輪という大舞台にとっても重要なものになるという。

柳田は「入ってくれないとワクワク感がない」「どうしても入ってもらいたい」

 そして、柳田だ。「柳田くんがね、入ってくれないとワクワク感がないですよね。彼が入るとワクワク感がいっそう増します。日米野球を見ても、派手なこともできますし。走攻守が揃っていますし、規格外にスケールが大きい選手。どうしても入ってもらたいたいです」。昨秋の日米野球で現役メジャーリーガーの度肝を抜いた“超人”。いまや日本球界を代表する強打者となった柳田も、前田氏は五輪に不可欠な存在だとした。

 不安材料として付きまとうのは選手たちのコンディションだ。今回も千賀が右肩の違和感で出場を辞退、腰痛を抱えていた菅野、8日に右肘の手術を受けた柳田はコンディションを考慮して選出されなかった。

 ただ、選手たちの調整面に対して、前田氏は「プレミア12やWBCのような難しさはなく、選手としては1番調整しやすいと思います」という。シーズン終了後の疲労が溜まった状態で戦わなければならないプレミア12、シーズン開幕前に急ピッチで調整しなければならないWBCに比べれば、シーズンの合間の7月下旬から8月上旬にかけて行われる五輪はコンディションへのリスクは少ないと指摘する。

「シーズンの流れの中で臨めるので、僕はプレミア12やWBCよりは、当然、五輪のほうが選手としては調整しやすいと思います。問題はそのときに健康かどうか、どういう状態でシーズンを過ごしているか。暑さもありますが、寒いよりは体も動きますから」

 球界を代表する千賀や菅野、柳田といった面々が、五輪本大会では稲葉ジャパンに加わってくるだろうか。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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